16/Sep 2003 |
PowerPC 7447 1.25GHz
ATI Mobility Radeon 9600 w/64M
Mac OS X v10.2.7 2x Super Drive
80GB Ultra ATA/100 319800 yen |
19/Apr 2004 |
PowerPC 7447A 1.5GHz
ATI Mobility Radeon 9700 w/64M or 128M 4x Super Drive
80GB Ultra ATA/100 279800 yen |
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2004年10月、既に現在のPowerBook G4 15-inchがマイナーチェンジを施されてから半年が経過しようとしています。既に次のモデルチェンジが囁かれていますが、次期モデルと比較する上でも、現在のPowerBook G4 15-inchを再考しておくことにします。
310B_ architecture block diagram of the PowerBook G4 15-inch (Apr 2004)に示すように、4月の変更は僅かです。その差はわずかでも、CPUとGPUという主要構成が異なるため、性能向上は着実に行われました。CPUはPowerPC 7447に代わり7447Aが使用されました。プロセスルールは同じ130nmですが、7447Aは7447を改良したものです。ダイサイズは9.1×10.8mmから7.3×9.32mmへ小型化され、トランジスタ数も5800万から4860万へ削減されています。7447は、L3キャッシュインターフェースを持つ7457とコアを共通にしていましたが、7447AはL3キャッシュインターフェース
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を持たない替わりに、チップに温度センサーを復活させ、ダイナミックに動作周波数を変更できるなど、省電力能力が強化されています。
GPUに関しても、Mobility Radeon 9600と9700は型番こそ異なりますが、パイプライン数も4つ、プロセスルールも130nmとチップデザインに変更はありません。ただlow-k技術を導入することで、省電力とコアクロック数の大幅な向上を実現しました。
MacOS X v10.3に搭載されるQuartz Extremeは従来ゲームなどにしか利用されていなかったGPUの3D表示機能の一部を、一般的な画面表示に活用しました。半透明処理やウインドウの移動、拡大、縮小などを、効率よく処理することができるGPUに任せることで、高品質で高速な画面表示を可能としています。特にフロントサイドバスの低速なG4アーキテクチャにとって、GPU
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への負荷分散と、バスの解放は、願ってもいない効果を生みました。バッテリー駆動可能時間と発熱のどちらにも制約のあるPowerBookにとって、最適なアプローチ、ようするにCPUとGPUのバランスのとれた強化が必要なのです。
この考えを進めていくとPowerBook G4の進むべき道は、フロントサイドバスに負荷をかけないようにCPUとGPUを均等に、消費電力とパフォーマンスのバランスをとりながら、高性能化していくことでしょう。
Motorola社の半導体部門が再構成されたfreescaleセミコンダクタ社のPowerPC 7447互換CPUがPowerPC 7448です。90nmのプロセスルールで生産が予定されていて、7447の倍の1MバイトのL2キャッシュを内蔵しています。大容量のL2キャッシュを搭載することは、
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フロントサイドバスの負担を減らします。G4はPowerPC G5と比較すると、パイプライン長が短く、高速化が難しい反面、消費電力的には有利です。
さらに7月下旬にATi Mobility Radeon 9800が発表されました。ピクセルパイプラインを9700の倍、8本搭載し飛躍的に性能を向上させています。PowerBook G4の2度目のマイナーチェンジを期待するのは私だけではないはずです。
ただし、次期Mac OS Xであるv10.4、TigerのCore ImageなどGPUの能力をOS側から積極的に活用し、CPUからGPUへの下りだけではなく、双方向の情報伝達が必要になったとき、G4アーキテチャの限界が見えてくるでしょう。既にmotionなど、一部のアプリケーションをPowerBookで処理することは難しくなっています。Core Imageによるリアルタイムプレビュー
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は、結果を予想してからパラメーターを設定し確認するという流れから、直接結果をみながら操作するという直感的なものへ変えていくでしょう。経験から直感へ、ユーザーインターフェースのパラダイムシフトを予感させます。
PowerBookの本来の姿は、ハイエンドデスクトップの性能を、そのまま何処へでも持ち出すことができることですから、TigerにはPowerBook G5が必須でしょう。それまでは、洗練されたPowerBook G4をフル活用することがスマートなのかもしれません。
(17/oct 2004)
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PowerBook G4 15-inchに関連する改修プログラム
バッテリー交換プログラム(リンク消失)
韓国LG社の生産した一部のPowerBook G4 15-inch用バッテリーに発火の危険性があるため、回収および交換が行われいます。ロット番号で確認できますので、対象ユーザーは上記ページで確認してみてください。
ディスプレイリペアエクステンションプログラム(リンク消失)
製造上の問題から、一部の液晶のバックライト光量にむらがあって、支障がある場合があります。2003年7月から11月の間に製造された、指定のシリアル番号をもつ個体の一部に発生しているそうです。対象ユーザーは上記ページで確認してみてください。
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