macintosh
Vol.101

24/Nov 2002

Gigahertz PowerBook

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265_ Powerbook G4 series
265_ PowerBook G4 series

PowerBook G4が3度目のマイナーチェンジを受けた。やっと1GHzの大台に乗るとができたPowerBookだが、デザインの変更は最小限にとどめられている。

前の3世代を振り返り、4代目PowerBokok G4について見ていくことにする。

(手前から初代500MHz、Comboドライブを搭載した2代目のGigabit Ethernet、そしてDVI端子を搭載した800。一番奥がSuperDriveでDVD作成も可能になったPowerBook G4 1GHzである)

266_ PowerBook G4 500 Titanium architecture block diagram

266_ PowerBook G4 500 Titanium architecture block diagram

初代PowerBook G4は、発熱量が大きく、ノートブックに搭載は難しいとされたG4チップを、コア電圧を下げ始めて搭載した記念すべきモデルである。

また、オールインワンノートとして大変薄く、クリーンなデザインも目を引いた。

アーキテクチャは、G4CPUの搭載は目新しいが、それ以外はPowerBook FireWireで熟成されたハードウェアを踏襲しているため、大きな変更はなかった。

267_ PowerBook G4 667 gigabit ethernet architecture block diagram

ノート型にもGigabit Ethernetを搭載した意欲作である。またその陰に隠れているが、FireWire LinkLayer周りが改良され、バッファーの付加により、FireWireの速度が改善している。

また、Uni-North ICのリビジョンがデスクトップと同じ1.5になった。write combineを実装、4×AGP、133MHzのメモリバスの採用など、CPU以外が大きく改良されている。

しかし、発熱・消費電力の関係でL3キャッシュを未搭載のまま、パイプラインが長くなったPPC7451の採用は、発熱の割には性能向上を実感できなかった。さらに原因不明だが、メモリバスの実行速度が2/3程度に落ち込む現象がある。のちにcombo driveが投入されたが、短命に終わる結果となった。

267_ PowerBook G4 667 gigabit ethernet architecture block diagram

268_ PowerBook G4 800 DVI architecture block diagram

268_ PowerBook G4 800 DVI architecture block diagram

液晶解像度が1280×854に強化され、輝度も改善した。さらにApple Cinema displayを接続するには必須であるデジタル画像インターフェース、DVIを搭載した。インターフェースの充実ともにRadeon 7500の搭載、VRAMの拡張、L3キャッシュの搭載などPowerBook G4の完成モデルといってもいいだろう。

メモリの実効速度も予測値とかわらなくなり、クロックが800MHzに上昇しても、SOI(シリコン・オン・インシュレーター)の採用で発熱が小さくなった。

Audio回路がSnapperになり内部処理がデジタル化され、音声入力端子も加えられている。

269_ PowerBook G4 1GHz architecture block diagram

内容的には800DVIと変わらない構成である。基板の変更もほとんど無く、これまでの2回のメジャーアップグレードほどの違いはない。

それでも1GHzの大台に乗った記念すべきPowerBookであり、Mobility RADEON 9000と64メガバイトのVRAMの搭載は魅力的だ。

そして、スロットローディング型SuperDriveであるPanasonic UJ-815がいち早く採用されている。デスクトップが独占していたiDVDがPowerBookでも使えるようになった。

269_ PowerBook G4 1GHz architecture block diagram

270_ PowerBook G4 500 Titanium

270_ PowerBook G4 500 Titanium

薄くするため、従来ドータカード形式だったCPUを一枚の基板に配している。薄いプラスチックシートで覆われて見えないが、スロットローディングのDVD-ROMドライブはメカ部分だけになっていて、構造体の一部は本体側フレームと共用となっていた。

ヒートシンクは黒く、ヒートパイプは一本。本体右側のトップケースに熱を逃がす形であった。Rage 128周辺は、ヒートシンクの一部が延長されているだけで、非常に簡略なものである。

中央のプラスチックパーツはキーボードの撓みを押さえるもので、本体強度を増強させるものではなかった。

271_ PowerBook G4 667 Gigabit Ethernet
271_ PowerBook G4 667 Gigabit Ethernet

発熱量の増えた7451に対応するため、ヒートシンクが強化されている。また、熱をヒトがふれにくい部分に移動し、本体強度を増すためにヒートパイプが、左右の液晶ヒンジ基部、上部中央フレームの3カ所へのびている。

Mobility Radeonのヒートシンクはまだ簡略なものであり、発熱の大きなモデムがまだ近くにある。小型化し、ユニットケースもしっかりしたcombo driveが組み込まれ、大きな隙間がある。

272_ PowerBook G4 800 DVI
272_ PowerBook G4 800 DVI

まえのモデルが非常にあつくなることがあったため、冷却と拡散が強化されている。右側電源部分を隠すように大きく張り出したヒートシンクは、キータッチも改善させている。

Moblity Radeon 7500の発熱の増加に対応するため、左側のRadeon上部のヒートシンクにフィンが加えられている。

また800MHzモデルには電源ボタン近くに二つ目のファンが加えられ、時に甲高いファンの音が聞こえる。しかし、前のモデルよりもファンが回ることは減っている。

273_ PowerBook G4 1GHz
273_ PowerBook G4 1GHz

一見、構造の変化は無いように見えるが、Radeon 9000上部のフィンの数が増えていたり、フレーム中央部へのびていたヒートパイプが廃止され、その代わりに右側電源ボタン近くの冷却ファンまでが新設されている。二つのファンはこれまでと異なり、ほぼ「常時回転」するようになったが、従来よりも回転制御が細やかであり、気になるほどの音はしない。

メインファンはシロッコ型に変更されていて、これまでよりも静かだが風量は大きい。


Powerbook G4が3度目のメジャーアップグレードを経て、11月6日に発表されまた。ノートパソコン用スロットローディング型SuperDriveを初めて搭載したモデルも11月23日から店頭に並びはじめています。早速一台入手して、インプレションをお送りしようと思いましたが、PowerBookが1ギガヘルツの大台を超えたこともあり、4世代のPowerBook G4を振り返り、変更点をみていくことにしましょう。

3度ものメジャーアップグレードが行われたにもかかわらず、筐体デザインはほとんど手を加えられていません。確かに目新しさはありませんが、癖のないデザインは飽きが来ません。今回は、ベンチマークなどのデータ測定は後回しにして、OS9で起動することができる最後のPowerBookのアーキテクチャと冷却系に注目して紹介したいと思います。

少しづつ、性能が向上し最終的に1GHzというクロック周波数を手に入れたPowerBookですが、これは熱をどのように排出するのか、という問題解決の歴史ともいえます。本体のデザインには手をつけず、デバイスの改良と、内部の改良で最終的に1GHzのG4をPowerBookに詰め込むことが可能となりました。

Dualとはいえ、PowerMac G4 Mirrored drive doorの巨大なヒートシンクと爆音をたてるファンを知っている人なら、同じものがノートに組み込見込まれたといっても信用してくれないかもしれません。「アップルがポータブルホットプレートをリリース」という皮肉が聞こえてきそうです。

さらにDVD-Rも搭載されましたが、1倍速のDVD-Rなどノートに積んで、できあがる前にバッテリーが切れるのでは?と質問されそうです。

確かに、DVD録画専用機を購入しても、ハードディスクレコーダーとしてしか利用していない私にとって、PowerBookでDVDを焼くことなど、ほとんど無いでしょう。

それ以上に、800DVIから買い換える必要があるのか、と聞かれると答えに窮します。それほど大きな差はありません。

とはいっても、それはそれ。1GHzという響きに惹かれるユーザーも多いでしょう。PowerBook G4 500やPowerBook G4 667からの買い換えは十分満足感を得ることができるのでないかと思います。なによりOS9.xで起動できる最後のPowerBookを購入しようというユーザーには、大変気になる存在なのではないでしょうか。

(本日はこのぐらいで)

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