macintosh
Vol.69
11/Jan 2001

PowerBook G4

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113_PowerBook G4 Memory
113_PowerBook G4 Memory

PowerBook G4 titaniumのメモリ増設はキーボードを取り外して行う。1.5inchのS0-DIMMモジュールが2枚増設可能である。

装着は図のようにオフセットした2つのDIMMが重なるように行われ、2枚ともすぐに交換できる。

114_PowerMac G4 Digital Audio Block Diagram

驚くべきことであるが、PowerMac G4 Digital Audioの667MHzと733MHzの2機種はL3キャッシュを搭載している。

CPUコア内部に256Kバイトのコアクロックと同期するL2キャッシュを搭載しただけではなく、L3キャッシュ用のタグを持ち、外部にコアクロックの1/3で動作するL2キャッシュを1Mbyte持つ。その他にもUni-North ICから出るPCIバス幅に変更がみられ、ベースクロックも133MHzへアップしている。GeForce2 MXの正式採用と合わせ、性能は旧G4 500MHzよりもクロック比以上に上昇している。

 

114_PowerMac G4 Digital Audio Block Diagram
115_PowerBook G4 titanium Block Diagram

PowerBook G4 titaniumのブロックダイアグラム。PowerBook 2000 FireWireとの違いはCPUとキャッシュクロック比、そしてUni-North ICとの接続バスが60x BusからMAX Busに変更になったことだけである。残念ながらKeyLargoへの64bit接続も見送られている。

現行のPPC 7400と比較し倍の整数演算ユニットを搭載し4から7ステージパイプラインを採用した7450は,消費電力が14Wと非常に大きくPowerBookへの搭載は無理であるため、7400とほぼ同じ構成で消費電力が小さい7410が選択されたのだろう。

115_PowerBook G4 titanium Block Diagram
116_PowerBook G4 (obverse)
116_PowerBook G4 (obverse)

まだ実物の写真が公開されていないので、想像図。ヒートシンクの形状から図のように主要チップが並んでいると考えられる。基板の右側は液晶インバーターや電源回路が、そして右側は2階建てになっていて、汎用されているモデム基板の下はビデオ回路の一部と音声用screamer sound ICが有ると思われる。

117_PowerBook G4 (reverse))
117_PowerBook G4 (reverse)

まだ実物の分解写真が詳しく公開されていないのであくまでも想像図である。


型PowerBookであるPowerBook G4 titaniumの発表があったことはみなさまも既にご存じでしょう。ここでは、PowerBook G4 titaniumの詳細についてますこしずつ触れていきます。また同時に発表されたPowerMac G4 733が、同日Motorolaから発表されたPPC 7450を搭載していたので、PowerBookとの比較という意味で取り上げます。

発表されたDeveloper Noteによると、PowerMac G4 667と733には従来とは異なったG4が搭載されています*1。先にiBookで使用されたIBM PowerPC 750CXと同様、256Kbyte L2 cacheがCPUコアに組み込まれています。外部にL2キャッシュを接続することと違い、コアクロックと同じ速度で駆動するL2 cacheは、L1キャッシュミスが発生したときのキャッシュペナルティを約40%削減できます。

ただし、大容量のL2 cacheをCPU Dieに搭載するとチップ面積が増加し、チップの価格が上昇します。PPC7410が52mm2で有るのに対し、L2 cacheを256Kbyte内包するPPC7450は106mm2もあります。また、PPC750CXがそうであったように、MacOSで使用するともう少しL2キャッシュの容量が欲しくなります。

PPC7450はコアクロックの1/3で駆動するL3キャッシュを外部に持つインターフェースを持っており、L2キャッシュ近傍にL3用タグメモリを装備しています。L3キャッシュは最大2Mbyteまでコントロールする事が出来、PowerMac G4 Digital Audio 733,667には1Mbyteが搭載されています。このことで、L2キャッシュの容量不足を解消しています*2

また、整数演算ユニットをこれまでの倍の4個搭載(複雑演算+単純演算回路×3)し、4から7ステージのパイプラインを採用しています。パイプラインステージの増加はレイテンシの延長というデメリットがありますが、パイプラインの足並みを揃えることが容易となり、より高い動作周波数が可能となることを考えると、喜ばしいことと言えるでしょう。このことで、1クロックに最大2個の演算と一つの分岐命令を遂行できた7400と比較すると、最大3個と一つの分岐命令をより高いクロック数で実行できるようになりました*3

PPC7450を採用したPowerMac G4 Digital Audioは、他にも一般のDVDプレイヤーで再生可能なDVD-Rをパイオニアとの協力で搭載したり、Uni-North ICと

KeyLargoを直接64bit PCIで接続し、MAX Busの速度も133MHzにしてメモリスループットを向上させたり、4×AGPと評価の高いGeForce2 MXの新採用するなど、CPU以外の部分での性能向上が随所に見られます。それと比較するとPowerBook G4のCPU以外の変化はほとんどないと言わざるおえません。

115_PowerBook G4 titanium Block Diagramに示すようにPowerBook 2000 FireWireとの差異は、僅かにCPU周りのみに限定しています*3

現在公開されている資料や写真からは、その細部までは判りません。またパンフレットなどの表記からはCPUがドーターカードに載っていると思われる記載がありますが、116_PowerBook G4 (obverse)はドーターカードが無い場合の想像図です。

もうすぐ実物の販売が始まれば、細部の疑問は解消するでしょう。

#1 PowerMac G4 Digital Audio Developer Note (PDF)

#2 Motorola's MPC7450 Fact Sheet

#3 PowerBook G4 Developer Note(PDF)

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