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25/Jan

Trade CPU DaughterCard(2)

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これまでCPUのDaugtherCardを交換してアップグレードするには制約があり、発売時期が同時のラインナップ同士の相互使用しか出来ないと考えられてきました1)。PowerBook G3 Seriesのマザーボードには3種類あり、それぞれに使用されているマザーボードを3群に分けると、タイプ間での相互使用は不可であるとされていたのです。

Type 1

Wallstreet、すなわちPowerBook G3 Seriesの最初の型で、Graphic chipにRAGE LT II/DVDが採用されているもの。PowerBook G3 233/13,PowerBook G3 250/13,PowerBook G3 292/14がこれに該当します。特にPowerBook G3 250/13とPowerBook G3 292/14のメモリバススピードは83MHzと、他の66MHzに比べて高速です。(Fig.1)

fig.1 PowerBook 250/13,292/14のCPU Daughter Card裏面。左下に83MHzのMPC106 PCI Bridge/Memory Controllerが見える。Mother Boardとのコネクターは2本。PowerBook G3 233/13にはcacheが搭載されず、MPC106も66MHzのものが搭載されているが、形状はほぼ一緒である。

Type 2

PDQとも言われ、PowerBook G3 Series 1998の後期型です。私はこれまで簡略化のためWallstreetとPDQを区別せず表記してきました。Graphic chipがRAGE LT Proに変更されています。(Fig.2)

PowerBook G3 233/12TFT、PowerBook G3 233/14/512K、PowerBook G3 266/14、PowerBook G3 300/14がこれに該当します。

fig.2 PowerBook 233/14,266/14,300/14のCPU Daughter Card裏面。左下に66MHzのMPC106、Mother Boardとのコネクターは2本。

Type 3

Lombard、PowerBook G3 Series 1999に搭載されているCPU Daughter CardのMother boardとの接続ソケットは1カ所しか有りません2)(Fig.3)

New WorldアーキテクチャROMを搭載しアーキテクチャそのものが変更されています3)

PowerBook G3 333/14、PowerBook G3 400/14が該当します。

fig.3 LombardのCPU Daughter Card裏面。左下に66MHzのMPC106、Mother Boardとのコネクターは1本。

メイ氏よりの連絡より、Type1のDaughterCardをType2のマザーボードに装着しても動作しないことは前にも触れたとおりです。その逆はどうなのでしょうか。

Hideto氏はPowerBook G3 233/13(Type1)の故障修理に際し、部品の入手が難しくなっているPowerPC G3 233/no cacheのDaughterCardの代わりに、PowerPC G3 266/1M cache(Type2)の保守部品を使用し、修理が可能であったことを最近メールでお知らせして下さいました4)Type1とType2のハードウェアを比較し、ヒートシンクの形状を比較しましたが、ともにRev.Aが使用されており、とくに変化がありませんでした。使用に際して放熱には気を使う必要が有るとは思いますが、それほど神経質になるほどではないようです。

これまでの情報を整理すると、下のfig.4となります。CPUカードの入手さえ可能で有れば、初代PowerBook G3 Seriesのcache lessモデルは、劇的な性能アップが可能です。

fig.4 各Typeのマザーボードに使用可能なCPU DaughterCardの一覧

参考

  1. FAQ:Trade CPU DaughterCard、CPU DaughterCardの互換性はありますか? 26/Sep 1999
  2. Lombard CPU Daughter Card:CPU Daugther Cardソケットの数 10/Jul 1999
  3. Apple:PowerBookG3Series_1999.pdf
  4. メイ氏より、私信
  5. hideto氏より、私信

22/Jan

H" (2)

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つい先日御紹介したDDIのH”(エッジ)ですが1)、PCMCIAカード型の端末のアナウンスもありさらに使いやすくなるでしょう2)。実際に使用すると、いろいろな状況で大変活用できることが判ってきました。本日はモバイル環境での使用インプレッションをお伝えしたいと思います。

まず、移動中のネットワーク接続はどの程度出来るのでしょうか。携帯電話と同様に接続基地局の変更を切れ目無くハンドオーバーできるのがこのPHSの特徴ですが、それはインターネット接続でも可能なのかということです。

高速移動中

時速250Km以上の速度で移動する新幹線の中からの通信は、殆ど出来ませんでした。これは携帯電話でも可能な区間は限られているようですから、ある程度あきらめがつきました。例えば都心部に入り、時速100km以下の徐行区間を走行するときは、メールチェックなど数分間の接続は問題有りませんでした。

fig.1 TOSHIBA「HYPER Carrots」DL-S200

中速移動中

山手線などの在来線で調べてみました。土曜日の早朝、車内が空いているときにメールチェックやWebブラウジングを試みましたが、10分以上特に切れることなく接続を保つことが可能でした。この間、基地局を何度か切り替えるためのハンドオーバーが行われたようですが、その間接続スピードが32kbps以下に落ち込むものの、すぐに50〜60Kbpsまでスピードが上昇し、6Kbyte/secから7.5Kbyte/secの転送速度を電車の中で実現できました。

僻地

とある田舎の温泉宿に宿泊した時のことです。Docomoの携帯電話は普通に使えるものの、やはり都心とは違いPHSの基地局は少ない印象を受けました。室内の奥にPowerBookを設置すると接続できませんでした。しかし窓際のテーブルでは接続が可能で、一旦基地局を見つけると暫くすると電波の強度が増し、安定した転送レートを実現しました。アダプティブアレイ・アンテナが有ったのかも知れません。電波の指向性を調節することでより強い電波を混信することなく利用できる技術だと聞いています3),4)

このように32Kbpsと64Kbpsをその場の状況で切り替え、移動中でもハンドオーバーできるPHSは、64Kbps固定の接続よりも「切れにくい」という特性があるようです3)。また僻地でも近くに通常のISDN接続できるプロバイダーが有れば、わざわざ遠くのPIAFS専用接続プロバイダーまで繋ぐ必要がないので、電話代も節約できます。

最近、一通のメールを頂きました。SIIのMC6550に付属する純正モデムスクリプトを使用すると転送速度が4.5Kbyte/sec止まりなのに、私が公開しているスクリプトでは7Kbyte/sec以上で接続できるというのです。そこでSIIのページ5)より最新版のモデムスクリプトをダウンロードして調べてみましたが、カードとcom間の通信速度が57600bpsに設定されているのです。私の作成したものは当然余裕をみて115200bpsで接続するように作っあります。このモデムカードにはデータ圧縮機能は含まれませんので、確かにオーバースペックは判りますが、はたして57600bpsで足りるのかは不明です。このスクリプトは東芝製IPC5026A用ですが、SIIのMC6550でも使用できるそうですので、もしそのような環境の方がいらしゃったら是非このスクリプトを試して、感想を頂けると幸いです。

IPC5026Aモデムスクリプト

参考

  1. H"、H”端末による64Kbps通信について 16/Dec 1999
  2. SII:α-DATA64対応PCカード型PHS電話機MCP200
  3. DDIPocket:エッジについて
  4. "White Wing II" by Fuji-Pアダプティブアレイアンテナ
  5. SII:モデム設定ファイル・Macintosh用

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18/Jan

MPX Bus

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MacWorld Expo 2000では新しいハードウェアの発表が無く、ちょっと肩すかしを食らったと思った方も多くいたかも知れません。そういう私もその一人です。

サードパーティからはPowerPC G4によるマルチプロセッサカードの発表が相次ぎましたが、その詳細についてはアナウンスが無く、デモンストレーションも行われなかったと聞いています。

そこで今回はちょっとPowerBook G3 Seriesから離れ、PowerPC G4のマルチプロセッサ環境におけるMPXバスの動きについて触れてみたいと思います1)雑誌などでMPXバスをあたかも60xバスの2倍の幅のあるような表記を見かけますが、物理的にはどちらも64bit幅でありクロックも同じです。内部の制御信号も殆ど変わるものでは有りません。よりきめ細やかな制御が可能であるというのが本質なのです。

まずはfig.1を見て下さい。PowerPC G4の上にあるのは簡略化したL2 cacheメモリです。中央の緑の線が60xバスと思って下さい。右側のCPUでL2 cacheに対しての書き込みが発生し、cache lineが一行更新され、メインメモリ(図の下の部分)と相違が生じます。

この状態がModeified Modeを指しています2)。その後、60xバスが空いているので、メインメモリへデータが転送され、その相違が消失していきます(Invalid Mode)。徐々に青い領域がメインメモリに増え、最終的にL2 cacheとメインメモリの相同性が実現します。この間もL2 cacheにヒットする限りはCPUのパイプラインはとどまることなく動作しているのです。

しかし、左側のPPCに注目して下さい。最初L2 cacheでヒットしていたため順調に動いていますが、途中でメインメモリの赤い部分を読み込もうとして、バスが混雑しているため先に進めなくなって停止しています。(Exclusive Mode2)、Bus Parking状態1)

 

fig.1 60xバス互換モードで作動中のDual PPC G4。右側のメモリ書き込みに邪魔され、左側のCPUが暫く停止している。(データの前後のスペースはバス調停信号と終始データを示しています。実際にはキャッシュフィルは4ビート連続で行われ、アドレス信号も同様に専用バスを流れています)

次にfig.2を見てください。これはPowerPC G4から採用されたMPXバスモードでの動きの一例を示しています。同様に右側のCPUからメインメモリへの書き出しが始まって、アドレスの送出が行われています。しかし、MPXバスモードでは、リアルタイムにバスの優先度を考えて、実行されます。ソフトウェアからの指定ももちろん出来るだけでなく、メモリへの書き込みよりも、読み込みが優先されるように自動的にバスの流が調節されます。そのために一度出したアドレス要求を引っ込める機構が用意されています。

fig.2では右側のPPCのキャッシュ書き出しが一時中断し、左側の読み込みが優先され、どちらのCPUも出来るだけ動作している様子が分かると思います。

実際には複雑なやり取りが瞬時に行われ、例えば右側で書き出した結果を左側が使用する場合などはこの、優先割り込みは行われないようになっているのです。

上記の機構はMPXバスモードの機構の一部です。バスを有効に使うための仕組がハードウェアで用意されているわけですが、ソフトウェア側もメモリ管理で、キャッシュの矛盾が発生しないように管理する必要があります。そうしないとエラーが発生し、そのたびにキャッシュが無効になるため、多大なオーバーラップが発生し、マルチプロセッサの恩恵どころの話ではなくなるからです。

fig.2 MPXバスモードでの上記と同じ動作。途中までは同じだが、メインメモリへの読み込みが優先されるため、左側の赤いデータが優先されている。その間も右側のPPCはcacheデータのキャストこそ行なわないが、次の段階へ淀みなく動作を続けていきます。

はたして、発表されたDualプロセッサボードがどちらのモードで設計されているのかは判りません。PowerPC 604のマルチプロセッサ機で実績のある設計を引き継いだのなら60xバスモードで動いているのかもしれないからです。それ以前に、厳重なメモリ管理が必要なため、MacOS Xのマルチプロセッサ用カーネルを待っているのかもしれませんね。

参考

  1. MPC7400 RISC Microprocessor User's Manual
  2. cache coherency、G4の5-state MERSI coherency protocolとMAXバスの必要性 25/Sep 1999
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メディカル マッキントッシュ

medical macintosh (c) 1998,1999,2000,2001,2002,2003,2004
Written/Edited by Y.Yamamoto M.D.
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