つい先日御紹介したDDIのH”(エッジ)ですが1)、PCMCIAカード型の端末のアナウンスもありさらに使いやすくなるでしょう2)。実際に使用すると、いろいろな状況で大変活用できることが判ってきました。本日はモバイル環境での使用インプレッションをお伝えしたいと思います。
まず、移動中のネットワーク接続はどの程度出来るのでしょうか。携帯電話と同様に接続基地局の変更を切れ目無くハンドオーバーできるのがこのPHSの特徴ですが、それはインターネット接続でも可能なのかということです。
高速移動中
時速250Km以上の速度で移動する新幹線の中からの通信は、殆ど出来ませんでした。これは携帯電話でも可能な区間は限られているようですから、ある程度あきらめがつきました。例えば都心部に入り、時速100km以下の徐行区間を走行するときは、メールチェックなど数分間の接続は問題有りませんでした。
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fig.1 TOSHIBA「HYPER Carrots」DL-S200
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中速移動中
山手線などの在来線で調べてみました。土曜日の早朝、車内が空いているときにメールチェックやWebブラウジングを試みましたが、10分以上特に切れることなく接続を保つことが可能でした。この間、基地局を何度か切り替えるためのハンドオーバーが行われたようですが、その間接続スピードが32kbps以下に落ち込むものの、すぐに50〜60Kbpsまでスピードが上昇し、6Kbyte/secから7.5Kbyte/secの転送速度を電車の中で実現できました。
僻地
とある田舎の温泉宿に宿泊した時のことです。Docomoの携帯電話は普通に使えるものの、やはり都心とは違いPHSの基地局は少ない印象を受けました。室内の奥にPowerBookを設置すると接続できませんでした。しかし窓際のテーブルでは接続が可能で、一旦基地局を見つけると暫くすると電波の強度が増し、安定した転送レートを実現しました。アダプティブアレイ・アンテナが有ったのかも知れません。電波の指向性を調節することでより強い電波を混信することなく利用できる技術だと聞いています3),4)。
このように32Kbpsと64Kbpsをその場の状況で切り替え、移動中でもハンドオーバーできるPHSは、64Kbps固定の接続よりも「切れにくい」という特性があるようです3)。また僻地でも近くに通常のISDN接続できるプロバイダーが有れば、わざわざ遠くのPIAFS専用接続プロバイダーまで繋ぐ必要がないので、電話代も節約できます。
最近、一通のメールを頂きました。SIIのMC6550に付属する純正モデムスクリプトを使用すると転送速度が4.5Kbyte/sec止まりなのに、私が公開しているスクリプトでは7Kbyte/sec以上で接続できるというのです。そこでSIIのページ5)より最新版のモデムスクリプトをダウンロードして調べてみましたが、カードとcom間の通信速度が57600bpsに設定されているのです。私の作成したものは当然余裕をみて115200bpsで接続するように作っあります。このモデムカードにはデータ圧縮機能は含まれませんので、確かにオーバースペックは判りますが、はたして57600bpsで足りるのかは不明です。このスクリプトは東芝製IPC5026A用ですが、SIIのMC6550でも使用できるそうですので、もしそのような環境の方がいらしゃったら是非このスクリプトを試して、感想を頂けると幸いです。
IPC5026Aモデムスクリプト
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