PCアーキテクチャが着実に進歩し、iMacまでもがG4を搭載している今日、PowerBook G4がPowerBookとしてプロ用の性能を保持しているかと言われると、答えに窮することが幾たびもあります。その回答がPowerBook G4 AFです。 PowerBook G4アーキテクチャはクロック数とGPUを除けば、ほぼPowerMac G4 Quick Silverと同等のI/Oが搭載されています。メモリ周りが旧態然としてはいますが、ノート型としては比較的戦闘力のあるアーキテクチャです。なにより、Final Cut Proを代表とするアプリケーションが、デスクトップだけではなく、ラップトップも視野に入れて設計されているのは、両者の性能差が比較的僅かであることの現れでしょう。 そうした中、PowerBook G4はDual CPUを現実の物として、さらにデスクトップとの差を縮め、Final Cut Proのリアルタイムエフェクトの適応範囲の広がったモデルとなりました。 | CPUにはPowerPC 7455の低消費電力バージョンである、XPC7455RX800NCが二つ搭載されています。バッテリー使用時はシングル、AC接続時にDualになります。 GPUにはMobility RADEON 7500が採用されています。Mobility RADEONのコアクロックが166MHzであったのに対し、最大270MHzになり、Embedded DDR SDRAMとの接続も倍の128bit、メモリクロック数も166MHzから210MHzへ向上しています。またハードウェアT&L回路であるCHARISMA ENGINEが搭載されることになり、3Dグラフィックポータブルワークステーションとしての道も広がるでしょう。残念ながらADC、DVIといったデジタルビデオ出力は今回も見送られましたが、これはビデオプロジェクター機器のDVI普及が先に必要なため、仕方がないことかもしれません。 Pangeaもリビジョンアップを繰り返し、133MHzのMPX Busのドライブを可能としました。 | Ethernet Link Layerの性能が心配されるところですが、Gigabit Ethernetインターフェースは健在です。その一方、PCIバスの内蔵化とPCMCIAブリッジICの省略から、PCMCIAカードインターフェースが完全に削除されました。モデムと同系統のUSBインターフェース経由でBluetoothが内蔵される代わりに、赤外線インターフェースも省略されました。こうしたインターフェースの整理には賛否が伴うでしょう。 光学ドライブには引き続きcombo driveの採用でとどまりました。これは発表時期の問題で、従来と同じようSuper Drive搭載時にアップグレードパスが用意されるかもしれません。 ラップトップにDual CPUという構成はこれまでの常識を覆すでしょう。しかしその裏には、PowerPCシリーズのジェネレーションアップがなかなか進まないというジレンマも見えます。 (April fool) |