PowerBook G4 Gigabit Ethernet購入動機の大きな部分を占めるのが、グラフィックアクセラレータ、ATi MOBILITY RADEONではないでしょうか。
確かにGeForce2Goを希望する声も大きかったかもしれません。ハードウェアT&L’PIXEL TAPESTRY’を搭載しないMOBILITY RADEONは、スペック的に見劣りするし、後継のMOBILITY RADEON 7500にはT&Lが装備され、AC駆動時に270MHzのコアクロックを実現しています。さらにDVIインターフェースもサポートします。今回のマイナーアップデートでは時期的に難しかったようで、採用は見送られました。
そうとはいっても、従来のMOBILITY 128と比較すると格段の性能向上が確認できました。205_ Graphic relativity performanceは、Rev. AのMOBILITY 128を1としたときの、Rev. BのMOBILITY RADEONの性能を示したものです。1.5倍から2.5倍程度のパフォーマンスを示し、負荷の大きな、マルチモニター(1152×768、1024×768、1600万色)でも平均して高い性能を示しています。
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ただし、水色の領域のパフォーマンスはあまりよくありませんでした。特に文字表示に関しては一部処理速度の低下がみられます。
この文字表示テストは、文字種類の多い漢字を、アンチエイリアスONで測定しています。日本語環境に則した測定方法です。PowerPC 7451のL2キャッシュ容量の低下の影響と考えられるパフォーマンス低下が認められます。
この部分について特に206_ CPU and RADEON core performanceに、大きめの画像描画速度と、その画像をスクロールする速度を示しました。RADEONの性能向上が相殺されていることがわかります。
さて、ビデオプロジェクターなどを使ってプレゼンテーションを行うとき、ミラーリングは大変便利な機能です。しかし、従来のPowerBook G4では、画面描画速度の低下から、使用をあきらめる場面も少なくありませんでした。今回はとくにMOBILITY RADEONの’HydraVision’に着目したテストを行いました。
207_ RADEON HydraVision performanceは 本体液晶単体表示時と比較したミラー
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リング状態での相対速度を示しています。Rev.B mirroringはRADEONの通常表示に対しての相対速度を、Rev.A mirroringはMOBILITY 128の通常表示速度に対してのMOBLITY 128のミラーリング時の速度を、そしてRev. A 2ndはマルチモニタ状態での相対速度を示しています。
HydoraVisionと銘打つだけあって、ミラーリングでもその速度低下は最悪50%、全体的には30%程度の速度低下で収まっており、大変優秀な結果でした。それに対し、MOBILITY 128はマルチモニタにおいては許容範囲かもしれませんが、ミラーリングの速度低下ははなはなしく、60%の低下、場合によると元の2%程度の性能しか出ていない場合もあります。グラフを対数表示にしないとわからなくなるほどの低下であり、Text scrollが90%低下など、主要な部分での速度低下も、ミラーリングの実用性をそいでいます。
PowerBook G4 Gigabit Ethernetは安心してミラーリングでのプレゼンテーションができる、初めてのPowerBookかもしれません。
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