macintosh
Vol.103

5/Dec 2002
Mod 15/Dec 2002

Internal Photograph

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281_ Side Blower and Heat-pipe
281_ Side Blower and Heat-pipe

電源ボタンそばの冷却ファンはBlowerタイプに変更されている。出口近くの空気抵抗が大きい場合は、より効果的に熱気を排出できる。従来PowerBook G4の冷却はヒートパイプが熱をボディ各部分に伝えることでの放散を主に、補助的にファンが時に熱を排出する方式であった。

PowerBook G4 1GHzでは、ヒートパイプに櫛状の放熱版が取り付けられ、ブロアーで強制冷却されるようになっている。ボディデザインを崩すことなくより積極的に冷却するようになった。

30mm角、5V、5500回転のブロアーは可変で、けしてうるさくはないが、PCノートの様に熱風を感じることができる。冷却ポリシーの変化があった。

282_ Internal photograph of PowerBook G4 1GHz

282_ Internal photograph of PowerBook G4 1GHz

PowerBook G4 DVIと比較すると、SuperDriveと冷却用ブロアーまわり以外で区別しにくい。

使用されているハードディスクはFujitsu製のMHS2060ATという1プラッター30ギガバイト、9.5mm厚のドライブ。マザーボード自体はPowerBook G4 DVIとほぼ同じ物である。

283_ L3 cache, DDR SDRAM K7D403671B-HC30

300MHzまで対応可能なDDR SRAMキャッシュチップである。PowerBook G4 1GHzの場合、250MHzのDDR(データレートは500MHz)で動作する。NEWDevelpoper Noteでは200MHzのDDR(400MHz)相当で、CPUのL3CRレジスタでも確認できた。これを250MHz (500MHz相当)へのオーバークロックは可能だったが、286MHz(572MHz相当)の場合フリーズしてしまった。

FSBが133MHzのままと、遅いG4チップがどうにか一線級の性能を発揮するためには、なくてはならないチップである。

PowerBook G4 DVIと異なり、スペーサーが付属するようになった。

283_ L3 cache, DDR SDRAM K7D403671B-HC30
284_ Main blower

284_ Main blower

風量がアップした割には、動作音が静かなメインブロアー。従来よりも明らかに早期から冷却を始める。PowerBook G4 DVIでは停止・低速・高速の3段階でコントロールされていたが、よりきめ細やかな制御が行われている。

NEWまた、Developer Noteによると、CPU温度が85度を超えるとスリープ中でも空冷を続けるという。PMUのプログラムが全く新しくなっている。


部を観察してみることにしましょう。282_ Internal photograph of PowerBook G4 1GHzに裏蓋を開けた写真を示しましたが、大きな変化はありません。冷却ファン周りの強化が唯一目につくかもしれません。iBookと同様、PowerBook にもブロアーが使われるようになりました。ブロアーは噴出口付近の抵抗が大きい場合に有効で、デザインを優先した改良といるかもしれません。手をかざすとはっきりと熱風を感じることができますが、回転音は静かです。

281_ Side Blower and Heat-pipeは本体右側に位置します。これまでのPowerBook G4は、ヒートパイプを、フレーム部分へ熱を放散すために利用してきました。PowerBook G4 1GHzは、5本のうちの一本に初めて冷却用フィンが付属し、ブロアーによる強制冷却を行っています。冷却ファンはPowerBook G3 Series 1998からPowerBook G4 DVIまでは、放射冷却を補う立場でしたが、PowerBook G4 1GHzでは、冷却に積極的に利用されるようになったと考えるべきでしょう。ポリシーの変化の背景には何があるのでしょうか。

初500MHzでリリースされた初代PowerBook G4 Titaniumは1年と11ヶ月で倍の1GHzを実現しました。コンピュータで消費された電力はそのほとんどすべてが熱に変化します。たとえばCPUの消費電力は、「供給される電圧の二乗×クロック数×トランジスタのキャパシタンス+リーク電流」で大まかに表すことができます。回路の小型化と銅配線、SOIはキャパシタンスの低下とより低い電圧でも動作可能な性能をもたらしました。

より高機能な回路を組み込むためには筐体側の性能も重要です。ノート型PCの性能はその冷却能力が大きく左右しているともいわれます。

さて、CPUを選択するとき最大消費電力を想定し、冷却能力とのバランスで熱設計を行う必要があります。確かに、モトローラの資料にはTypicalとMaxという消費電力は記載されていますが、最大省電力を決めることは意外と難しい作業なのです。モトローラがFAQの中でもふれているように、このMaxはハードウェア構成やソフトウェアで大きく変化す

るものであり、モトローラが示しているのはAltivecをフルに稼働した時の一つの目安にすぎないということです。たとえば、パイプラインストールを減らすためにBusの速度をあげたり、L3キャッシュの使用頻度を向上させるよう、容量やアプリケーションの最適化を行えば、最大消費電力は、より高くなっていくでしょう。283_ L3 cache, DDR SDRAM K7D403671B-HC30は、高速になったL3キャッシュを示しましたが、容量は1メガバイトに止まっています。L3キャッシュ容量を増やすことで、G4のピーク性能が上がった結果、発熱、消費電力の増加を考慮した上での妥協でしょう。

0.13μmのHiPerMOS 7、512KバイトのL2キャッシュと1.8GHzまでを視野に入れたPPC 7457や、Rapid IOとDDRを実現し2GHzオーバーを目標とする7457-RM、Intel的アプローチでRISCアークテクチャを見直したPowerPC 970など、高性能チップが続々名乗りを上げています。デザインを重視しつつ、PowerBookの冷却性能も次世代を目指す時期がきたのかもしれません。

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