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26/Jul

Cooling PowerBook G4

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157_SK-03

157_SK-03

パワーサポート社がスパルタかますに後付けできる温度センサー付きの冷却ファン・USBハブであるSK−03をリリースした。

各社がリリースしている冷却パーツは大きく分けると、冷却ファンがあるものと、無い物分類できる。冷却ファンの実力を検証してみることにした。

158_SK-03

スパルタかますの裏側に設置する形の冷却ファンにはSK-02とSK-03の2タイプある。今回調査したのは4ポートUSBハブを内蔵したSK-03である。

ハブ部分は4ポートで、付属の電源アダプタから電力を供給される。ACアダプタを接続しないと、インジケーターは緑の点滅となり、消費電力の小さなUSB機器なら接続できた。冷却ファンはACアダプタが必須となるので、通常はACを接続して使用することになるだろう。

右側のリード線の先には温度センサーがあり、アルミ製のフラップをスパルタかますに固定する。

158_SK-03

159_SK-51+SK-03

159_SK-51+SK-03

スパルタかますG4とSK-03の全景。今回効果的にCPUを冷却するため、独自に熱伝導ジェルを増設し、温度センサーの装着方向を変えてみた。ファン吹き出し口の左上方の熱伝導ジェルに低硬度高熱伝導性シリコンゴムシートをかぶせたものを加えている。

160_PowerBook G4 bottom

PowerBook G4の内部基板の配置やヒートシンクの設置より、電源ボタン側が高くなる。しかし、ヒートシンクから離れているグラフィックアクセラレーターチップのRage Mobility 128の発熱も大きい。そこで今回は積極的に電源ボタン側とは反対側の冷却を試みた。

160_PowerBook G4 Bottom

161_Heat Spreader

PowerBook G4のHeat Spreaderは主にCPUの熱を電源ボタン側のヒートシンクに伝える役目をしている。ほかにUni-North ICとRage Mobility 128の熱も引き受ける。今回温度センサーはCPUの直上に配置し、キーボードを装着した。使用状況に近い測定を行っている。

161_Heat Spreader

162_Temperature with Gel Sheet

162_Temperature with Gel Sheet

熱伝導シートを張り付けた状態で3分ごとに各部分の温度を測定した。参考としてCPUのDie-Junctionレジスタの値を示す。

表面温度はSK-03の熱センサー部分に温度センサーを装着して測定した。状態は同一で測定開始から終了までSK-03のファンは回転している。

結果として熱伝導シートの有無で表面ではわずかに0.8度の違いしかなかったが、CPU直上では2倍以上の、2.1度下がった。

163_SK-51 and 03

164_Temperature with Fan turned in reverse

163_SK-51 and 03

後ろから見たSK-03を装着したスパルタかます。PowerBook G4の直線的なデザインと、メカニカルな雰囲気は良くマッチする。

装着には、ACアダプターホルダーを一段低くつけ直す必要があるが、そのことで、収納したキーボードに干渉することや、スパルタかます本体の傾斜角に制限はない。

164_Temperature with Fan turned in reverse

SK-03のファンはPowerBook側に吹き出す様に設計されている。しかし、ファン吹き出し口と本体のクリアランスが狭く、ファンの能力を生かし切れていない印象があった。そこで、ファンを裏返して装着し直し、底面の廃熱を吸い出すように設置し、各所の温度を測定した。青い線が逆装着の結果である。結果は純正が良かった。


2001年はエルニーニョ・スパイラルが心配され、ヒートアイランド現象のためでしょうか、東京の異常なまでの暑さで、熱中症を思わせる所見の子供が来院するようになりました。消費電力が少ないとはいうものの、PowerBook G4には最大発熱量の大きなPowerPC G4を搭載しているため、時に内蔵空冷ファンが大きな音を鳴らしながら回転することも少なくありません。

PowerBook G3 SeriesやPowerBook FireWireには最大熱発生量が少ないPowerPC G3が搭載され、比較的筐体も大きいので、設置場所に問題がなければほとんどファンが回ることはありませんでした。パイプライン段数の同じG4とG3でこれほどまでに最大発熱量が違うのは、G3に比べG4が、積極的にパイプラインを動かし続ける仕組みがあるためです。それがG4の優れた部分であるといえます。だからといって、最大50度に達そうとする外表面温度は、熱暴走をしなければよいという物でもないでしょう。

体内蔵の冷却ファンは、大変音が大きいため、静かな部屋の中では気になります。普通はファンの回らないPowerBookシリーズは、流体軸受けハードディスクへ換装することで、動作音をほとんどなくすことも可能です。Cubeシリーズがないいま、静かなコンピュータを求めるひとには最適でしょう。

このような背景をふまえ、内蔵冷却ファンの動作を極力なくす方法として、ファン付き冷却台の存在価値はあるでしょう。今回はスパルタかますG4のオプションであるSK-03をパワーサポート社から提供を受け、評価しました。

158_SK-03は4ポートハブ機能を持つ温度センサー付き冷却ファンです。ハブ部分は電力供給能力を持ったもので、周辺機器の接続を簡略化できます。もちろんハブ機能を持たない廉価版のSK-02もリリースされています。

ファン部分は直径6cmの5Vファンが

使われており、センサーが約44度を超えると動作しました。一旦動作すると35度まで下がるとファンが停止するそうです。

というのも、一旦回転が始まるとファンが停止するほどまでPowerBookが冷却しないのです。冷却能力が足りないのでしょうか?そこで、若干の改良を施すことにしました。

160_PowerBook G4 bottomにPowerBook G4の底面の発熱状況の模式図を示します。このようにパワーブックの裏側は基板のある後側半分が大変熱くなります。発熱は電源ボタン側が大きいのですが、反対側も充分熱くなります。そこで4cm四方の熱伝導ジェルを増設し、スパルタかますの金属筐体そのものを大きなヒートシンクとして利用してみることにしました。

使用したのはJapanValue社のPT-3040です。


これは40mm×40mm×3.0mmの熱伝導ジェルシートで大変柔らかく、粘着性があります。そのままではPowerBook G4本体に張り付いてしまうので、表面に低硬度高熱伝導性シリコンシート(Justy TC50TXS 98×147×0.5mm)を同じ大きさにカットし、張り付けてあります。

設置面積を増やせばより効果的に冷却できるかもしれませんが、過度に増やすと、冷却ファンの排気が不十分になることが予想されます。結果は、162_Temperature with Gel Sheetです。外表面温度(センサー部分)の変化はわずかですが、PowerBook内部の161_Heat Spreader部分の温度を2.1度下げることができました。小さな付加物ですが、ファンが回転を開始するまでの時間も長くなり、効果を認めました。

に、ファンの回転方向で冷却能力が変化するか調査しました。

SK-03は背面から吸入し、PowerBook底面に風をあてて側方および上方へ熱気を逃がすように設計されています。そのクリアランスは通常3.0mmです。今回それを熱伝導ジェルを使って3.5mmまで拡張しています。また、ジェルとセンサーパネルを利用して、上方へのエアの逃げを減らし、効果的に右側方へ冷風が流れるように工夫しています。

しかし、クリアランスが3.5mmと狭いため、ファンの能力が生かされていない印象が拭えませんでした。そこで、ファンを付け替えパワーブック側を吸気にしてファンが回り始めてからの温度の変化を3分ごとに測定したのが、164_Temperature with Fan turned in reverseです。結果は、逆方向の場合は外表面温度は早く下がりますが、内部冷却能力は純正方向の方が3度ほど優れていることを確認しました。

ァンの冷却能力が過度で、騒音が大きいよりも、内蔵ファンの回転を抑制する程度の冷却能力のほうが節度をもっているという考え方もできるでしょう。スリープや電源オフで自動的に冷却ファンは止まることを考えると、温度センサ付き冷却ファンは有用と考えます。

*1 pawasapo.co.jp

*2 スパルタかますシリーズ

*3 SK-02

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メディカル マッキントッシュ

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Written/Edited by Y.Yamamoto M.D.
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