PowerBook G4 titaniumとPowerBook 2000 FireWireのアーキテクチャを比較した場合、CPU以外の変化が大変少ないことは確かです。今回は、ハードディスクの速度についての結果をみることにしましょう。
PowerBook 2000 FireWire 500とPowerBook G4 500にIBM DJSA-232000を組み込んだときのランダムアクセス速度を測定した結果は134_Random read testと135_Random write testにグラフ化しました。両者にほとんど差は認めることはできません。ATA-66の理論上の最高速度である66Mbyte/secに近い60MByte/secの転送速度を実現しています。ATA-66規格が律速段階になっていて、ハードディスクへの道筋にボトルネックは存在しないことが推測されます。すなわち、PowerBook FireWireとPowerBook G4のハードディスクパフォーマンスはハードディスク自体の性能に左右されるわけです。
つぎに、PowerBook G4 500に最初から搭載されていた20GByte、9.5mm、4200rpm、1Mbyteのファームウェアキャッシュを搭載した、132_MK2016GAP HDD2154'P'について検討してみましょう。
|
その特性は、135_Random write testに示すように、128Kbyteまでのディスク書き込みに関しては、ファームウェアキャッシュが有効で、最大60Mbyte/secと、ATA-66規格上の最高性能である66Mbyte/secに近い速度が得られることがわかります。それよりも大きなサイズの書き込みに関しては、ファームウェアキャッシュが働かない特性になっているようです。
それに対し、現在2.5インチハードディスク最速であるIBM DJSA-232000は、2Mbyteのキャッシュを使い切るよう設計されているため、2Mbyteの書き込みでも十分に早い結果がえられます。その反面、小さなサイズの書き込み時の速度が劣っています。
キャッシュポリシーの違いがどの程度性能の差に現れるかは、MacOS自体のハードディスクキャッシュとの関係も総合的に判断する必要があり、一言ですますことはできないようです。一つの例として同じファイル構成のMK2016GAPとDJSA-232000を用意し、Adobe Photoshop 5.5(メモリ割り当て50Mbyte )、仮想メモリオフという環境で、起動ディスクをフォトショップ用仮想ディスクに設定した状況で、約72MbyteのRGB画像をアプ
|
リケーション起動を含め開くまでの速度を測定しました。同時に、カラープロファイル変更に要した時間も測定しました。136_Photoshop file open testに結果を示しましたが、参考としてPowerBook G3 1998にBlueChip 500とIBM DARA-225000を組み込んだものの結果も付記しました。ハードディスクの変更だけで画像を開くまで40秒から30秒へ10秒間短縮することができ、PowerBook G3と比較すると、22秒短縮しました。
このような連続アクセスを主体とする、ピーク性能にも大きな違いがありましたが、それ以上に、動作一つ一つでヘッドが格納され、動作に連続性がないMK2016GAPは、日本語変換やIEのスクロールでもたつき、APM Tuner*1,*2でのチューニングが不可欠と感じました。言葉を返せば、APM Tunerを利用しないのであれば、DJSA-2xxxxxシリーズに換装することでベンチマークスピード以上の体感速度の向上が見込めます。
#1 HardDiskのフィーリングを改善する試み〜 ABLEの調節とATATest〜
#2 HardDiskのフィーリングを改善する試み(2)〜 APMTuner光と陰〜
|