PowerBook G4 667とPowerBook G4 500の比較検討をおこないました。今回は基本的性能をPowerPC 7451とUni-North ICを中心にまとめてみたいと思います。
199_ Rev. 11 Uni-North Memory controller and PCI bus bridgeはPowerBook G4 Gigabit Ethernetで使われているUni-North ICです。PowerBook G4 Titanium (以降便宜的にRev. A)のUni-North ICのチップレビジョンが8であるのに対し、PowerBook G4 Gigabit Ethernet(以降、Rev. B)にはレビジョン11が使用されていました。これはOpen Firmwareのデバイスツリーのプロパティを調べ比較した結果です。それによると、PCI のWrite Combine機能がアクティベートされていました。
Developer Noteでは、Rev. AとRev. Bの違いとして、AirMacとModemの接続方法に変更があったとされています。200_ Differentia of PowerBook G4 Gigabit Ethernet block diagramはそれをもとに表記したものですが、図中の実体でかかれた部分にアップデートがあります。しかし、Open Firmwareを調査すると、AirMacはすでにRev. Aの時からATA-3と同レベルの「radio」デバイスで接続され、modemはRev. Aと同様、シリアルデバイスと同レベルでKeyLargo ICと連結しているのが確認されました。
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それでは基礎的な性能に関して、調査した結果をお示しします。201_ PowerPC 7451/667 and Rev. 11 Uni-North IC memory performanceは、連続領域のメモリ転送能力の比較です。Rev. Bが採用したPowerPC 7451は256キロバイトのL2キャッシュをCPU内部に内臓し、本来はL3キャッシュを外部に持つ構成ですが、Rev. Bは消費電力と設置面積の問題か、省かれています。そのために、アプリケーションレベルでの結果とは異なりますが、L1領域、L2、そしてメインメモリ領域それぞれの速度向上が着実に実現していることがわかります。(速度計測には兄貴工房のCacheMark 1.6.1を使用しました。そのほかの方法では違った結果でる場合があります)とくにCPUクロックと同期して駆動するL2の速度向上がめざましく、FSB周波数比に一致するメインメモリ転送速度比が計測されました。
つぎにUni-NorthのサポートしたWrite combineに注目してみましょう。
Write Combineは、PCIバス幅に満たないデータ転送時に、複数のデータを合成し、転送効率を向上させる技術で、Macintoshプラットホームでは、PowerMac G4 Digital Audioから実現し、PowerBookでは初のサポートです。
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グラフィックインターフェースがPCIにあれば、write combineによる速度向上を測定できたかもしれませんが、実際にはこの恩恵を実測するのはむずかしいようです。
ATA-3と同系列で接続される「radio」デバイスであるAirMacは8 bit接続であり、write combineが効果的と考え、試しに測定してみました。202_ AirMac Rev. C performance up and write combineでは、Rev. Bが大変優れています。これはwrite combineの効果というよりも、AirMacの受信能力の向上と見るべきでしょう。しかし、予想以上に差が認められました。AirMacユーザーにとっては注目点です。
203_ MPX Bus, FireWire Link Layer and FireWire performanceは、前からパフォーマンスが疑問視されていた、PowerBookのFireWireの最大転送速度を比較した結果です。FireWireはUni-North IC内部PCIバスに連結したFireWire Link Layer部分と、外部のFireWire 物理層インターフェースの二つから構成されています。Rev. AもRev. Bも物理層にTI製TSB41AB1が使用されているとろは同じです。詳細に調査するとRev. AのデバイスキャッシュがOFFになっており、Rev. BのUni-North IC内部のLink Layerは
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