Expoのキーノートよりも先に、カナダTIME誌がデザインをリークしてしまったので、キーノートスピーチがなくなるのではないかと心配しましたが、液晶付きのiMacが無事、発表されました。
iMacなどのiシリーズは、コンシューマ向けというジャンルになりますが、これまでも新しいアーキテクチャやチップを、プロシューマよりも先に搭載したことがあるため、今回特別にそのアーキテクチャを探ってみることにしました。
その内部構造を214,5_ New iMac Logic Boardに示します。一時リークされたService Sorceによると、ロジックボードはほぼ円型の基板で、一部パーツは扇状に配置されるなど、旧iMacでみられた、複雑な形状のロジックボードを踏襲する形で構成されています。
小型デスクトップ機として、Cubeと比較してみましょう。また不評だった外付けACアダプタは廃止され、電源部分は2枚の半円状基板に分割されて、本体上部の3.5インチハードディスクの隙間に配されています。CPUへの電源供給用のレギュレター部品は、Cubeでは別基板で構成されていました。これは、将来のCPUの変更などを見据えた設計でしたが、逆に輸送中に接触不良を起こすなど、トラブルの原因にもなっていました。
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新iMacはすべてがLogic Boardに搭載されています。グラフィックサブシステムも基板の表と裏に配置されています。基板裏側の写真はありませんでしたが、下部のフレームに熱を伝えるThermal Padの写真から、部品配置を考えました。デジタルアンプはIC下面が一面、半田面になっていてLogic Boardを透してフレームへ熱を逃がす構造です。また、CPUの電源部もフレームへ熱を逃がし、GeFoece2 MX、デジタルアンプ、電源レギュレターの3点が均等に配置されています。VRAMはDDR SDRAMもLogic Boardに直接配置されています。GeForce2 MXのメモリバス速度は166MHzでしょう。
システムICは旧iMacやiBook Dual USBで使用されたPangea ICで、メモリバスは100MHzです。Pangea ICとしては初めてPowerPC G4のMPXバスを受け入れることになります。メモリは168-DIMMスロットとSO-DIMMスロットという変則的なものとなっています。Logic Boardに直接メモリを搭載せず、調節可能としたところは、今後しばらくこのLogic Boardが使用されていくと思ってよいでしょう。
冷却系に注目してみましょう。Pangea ICは自然冷却、そしてPowerPC G4の熱は、筐体上部へ伝える仕組みになっています。
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本体上部のプラスチック外装の内側には金属製のシャーシ「faraday cage」があり、ファン上部のメッシュ部分と併せて、半球状に本体を覆っています。このfaraday cage全体をCPUの冷却用ヒートシンクとして利用する構造になっています。光学ストレージデバイスの開孔面近くに、ヒートパイプで熱を誘導するなど、こった設計になっていました。温度によって制御される大口径空冷ファンとあわせて、今後CPUの熱容量が大きなものでも搭載出来る余裕がありそうです。18WというPowerMacより控えめなオーディオ出力も、効率が高くひずみの小さなデジタルアンプを使用しています。起動音用にモノラルスピーカーも内蔵されています。
最後に、とても興味深いのは、PowerPC G4に近接する場所に、BGAチップを設置できるランドが用意されていることです。たとえばここに将来、Synchronous Pipeline Burst SRAMが搭載されれば、よりいっそうの性能向上も期待できるかもしれません。
補足
すでにService Sorceはサイトごと削除されています。現在は入手できません。
23/Jan 2002
ATA-66か否かが注目点でしたが、Developer NoteでハードディスクはATA-66であることが確認されました。また正式にMPXバスモードでPangea ICが駆動してることもわかりました。お騒がせして申し訳ありませんでした。
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