15/May.

Nanokernel

MacOS 8.6での変更は多岐にわたり、その一つ一つを解説することは他のサイトにお任せすることにしましょう。デベロッパー登録をしている方にはもっと良質な資料がたくさん有ると思います。インターネットから得られる情報のみでは所詮限界があります。

PowerBook G3 Seriesを含め、ポータブル機にMacOS 8.6をインストールしたときの大きな改良点のひとつとして、消費電力の低減にともなうバッテリー駆動時間の延長があります。事実、多数のサイトに駆動時間が延長した事例や発熱が押さえられてと言う報告を見ることが出来ます。客観的観測という意味では、私自身、検証が不十分であるためデータを提示することはまだ出来ません。後日実験モデルを構築して調査する必要があると思われます。

現在得られる文章情報から、この消費電力の低下がどこに由来するのか整理してみることにします。

Mac OS 8.6: What's New - Overviewによると、SystemコアにあるNanokernelによって、マルチタスク、Multiprocessorの機能の向上と、大幅に改善したCPUの節電機能を実現しているとしています(1Nanokernel自体はMultiprocessing API Libraryと密接な関係にあり、NanokernelとMultiprocessing API Libraryは切っても切れない関係にあるようです。PowerBook G3 SeriesはもちろんMultiprocessorではないのですが、これらのAPIはシングルプロセッサもサポートし、アプリケーション内部のルチーン自体のプリエンプティブなマルチタスクをサポートします。ようするにマクロという意味でのアプリケーション間のプリエンプティブなマルチタスクを実現する前に、アプリケーション内部をマルチタスクに対応させてしまったようですね。これはNeXTstepのオブジェクトの取り扱いを参考にしたのでしょうか。このMultiprocessing API Libraryの一部に、ミッドレンジおよびローレベルのプロセッサーパワーマネージメントを組み込んだと明記されています(2ー1

今回の8.6における消費電力の低減はMacOSが根幹からフレッシュアップしていく序曲だと思うのは私だけではないと思います。

参考

  1. TIL60230:Mac OS 8.6: What's New - Overview
  2. Technote 1163 :Mac OS 8.6,John Montbriand
    1. Multiprocessing API Library

13/May.

DVD Video Player 1.2

MacOS 8.6にはDVD Video Player1.2が付属しています。目新しい機能の追加はないものの、音声オプションに「ライン出力モード」が加えられました。パワーブック本体内蔵のスピーカーから出す音声のダイナミックレンジを圧縮し、聞き易くした(逆に言えばメリハリのない)ことに伴い、本来のダイナミックレンジを楽しむモードを増やしたと考えられます。

ライン出力モードのオプションをチェックすると、一瞬音が小さくなります。外部スピーカーに接続することで、劇場並みの「大きな音は大きく、小さな音は小さい」臨場感優先の音声がサポートされたもようです。これはDVD Video Playerに添付される文章(1には明記されていません。関連する表記はありますが、実際に切り替えて感じた私の意見です。ZiVA PC用ドライバーのバージョンが1.21へアップしていました。画質的な変化はありませんでした。

参考

  1. Apple DVD Player について

11/May.

PowerBook G3 Series 1999

PowerBook G3 Series 1999が発表になりました。多くのサイトにてその詳細が発表されているので、ここではこれまでのPowerBook G3 Seriesとの変更点を重点にまとめたいと思います。

まず、筐体の全面的な見直しがされました。キープコンセプトとはいえ、同一パーツの使用はほとんどないと考えられます。液晶側が薄くなったことが注目されていますが、大きな変更はボトムケースに及んでいます。その結果内部の拡張性がある程度削られました。

まず、PCMCIAカードが一枚しか入らなくなりました(1。(TYPE3カードも入らず、オートイジェクト機構もなくなりました(3。)これはボトムケースの厚みを減らしたことに起因します。

筐体の薄型化に伴いハードディスクのクリアランスが12.7mmに減ったため、8GByte及び14GByteのTravelstar 14GS(DCYA-214000)IBM Travelstar 8GS(DYLA - 28100)は搭載不可となります。従って最大搭載可能ハードディスクはTravelstar 10GT(DCXA-210000)を搭載した場合の10GBbyteまでとなります。

また、Expansion Bay Unitも厚みがより薄く、ラッチ構造の変化したものになります。従ってこれまでのExpansion Bayは搭載できません。

注目のGraphic sub systemはメモリ容量の変更が行われましたが、基本的なアクセラレーターチップはRAGE LT Proのままです。従って外部モニタとのマルチスクリーンが可能となりましたが、DVDビデオのMPEG-2デコードはこれまで同様、オプションチップが必要となります。しかし搭載方法の変更が行われました。

旧来のPowerBook G3 SeriesのDVD Video kitに含まれるDVD Video PCMCIAカードには2MbyteのDRAMとC-CubeのDiVA-DS System Decoderが搭載され、DVD Videoを鑑賞するときには、DVD ROM Driveに加え下段のZoomed Video PortのあるPCMCIAスロットにこのカードを挿入する必要がありました(2

PowerBook G3 Series 1999ではこれがマザーボード上のオプション領域に移りました。PowerBook G3 Series 1999/400はオンボードでこの領域にDiVA-PC System Decoderが搭載されています。実はiMode用ページでは前にお伝えしたのですが、「ドライバーの変更が無い、Lombardのサポートは次のバージョンであることを祈る」残念ながらこの予想はあたってしまったようです。RAGE Mobility-Mの搭載を期待していたのですが・・・要するに画質的にはこれまでと同様と考えられます。(コームノイズは残存するということです)(5DVD-ROMはこれまでの1.5倍速、CD-ROMアクセス12倍速から、DVD-ROM2倍速、CDアクセス20倍速にそれぞれスペックアップしています(4。またアップルはこれまでのDVD-Video PC CardをPowerBook G3 Series 1999ではサポートしないと言っていることや、DVD-ROMドライブ自体のオプション化をする予定はないと言っていることから(6PowerBook G3 Series 1999/333のマザーボード上のこれらのチップを後付けする方法は無いと考えられます。

また、空冷ファンの取り付け位置の変更が行われました。これは筐体の薄型化に伴いヒートシンクの変更があったのだと予想します。これまでモデムポートのあった場所に冷却用スロットが増えています。

まだ内部構造の写真や図がありませんので、内部のボードの変更がどれほどのものかということはわかりません。わかっている範囲ではHeathrowに代わりiMacで使用されているPaddingtonが搭載されたこと、その数が1つに減ったことが大きな変更です。PaddingtonはHeathrowに100Base/Tのサポートを加えたものだと、Appleは説明しています(7 。搭載される数が2個から1個に減ったということより容易に予想できますが、左側はバッテリー専用Bayに変更になり(8、IDE信号、PCI信号一切のスロットが省略されました。

ADBポート、シリアルポートの削減、USBポートの増設、iRDAの4Mbit/sのサポートなどのインターフェースの変更がありましたが、SCSIポートは残りました。SCSIはPaddingtonがドライブします。内部キーボードと内部とラックパッドがUSB接続ではなく、従来のADB接続であることは注目すべき点であると思います(1

ソフトウェア上のもっとも大きな変更点は、MacOS ROMファイルが必要になったこと、すなわちNew worldと呼ばれる起動用1MbyteのROMがこれまでの4MbyteのTool Box ROMに変わって搭載されたことになります。

以上よりマザーボードの変更は多岐にわたり、とてもマイナーバージョンアップとは呼べないほどの変更がなされていると私は考えます。

参考

  1. Apple:PowerBookG3Series_1999.pdf
  2. New DVD-Video system,Lombardに搭載されるDVD Video systemの噂について,17/Apr 1999
  3. TIL58323,PowerBook G3 Series (Bronze keyboard): Uses Manual Eject PC Card Mechanism
  4. Apple:PowerBookG3_DS-a.pdf
  5. ROAM(2),Soft DVD player 0.91.07betaへのアップ、3/Mar 1999
  6. TIL 58338,PowerBook G3 Series (Bronze keyboard): No Upgrade for DVD Capability
  7. iMacDevNote.pdf
  8. TIL 58329,PowerBook G3 Series (Bronze Keyboard): Battery and Media Bay Compatibility

9/May.

Draw lots

Amulet協賛、CitiDISK for Mac 2.5inch(スケルトンブルー)プレゼント(1の受付は本日の午前0時をもって終了いたしました。大変たくさんのご意見、ご感想ありがとうございました。これからの更新の参考にしたいと思います。

応募総数は121票、お一人様1エントリーの原則、メールアドレスの欠損の除外、受付時間超過などの理由により、有効投票数116票となりました。

投票は一つのファイルにまとめられ、FileMaker Pro 4.0(2に取り込み、電子メール部分のみを抽出し、ソート。それをStatView4.5(3に読み込みました。こうして用意された116個のメールアドレスに対し、1.74%をランダム抽出するように指定。第一回目の抽出結果を当選者として、本日9時37分に電子メールで当選をお知らせしました。当選者はmie at work氏、「take O」氏の両氏です。おめでとうございます。

参考

  1. CitiDisk present、CitiDisk for Macintosh 2.5inchスケルトンブルー発売及びプレゼントについて,28/Apr 1999
  2. StatView:(c)1992-1995 Abacus Concepts,inc
  3. FileMaker4.0:(c)1997 Claris Corporation. All rights reserved.

7/May.

RAGEMobility-M1

本日付けのニュースによるとATI Technologies Inc.はRage Mobility M1(1の量産を6月から開始すると伝えています。i-Modeの毎日新聞モバイルニュースは便利ですね。

これはこれまでの繰り返し伝えてきました(2、(3Lombardに搭載されると、私が予想しているグラフィックチップです。

数多くの噂系サイトで次期LombardにはRAGE128のカスタムチップが搭載されるのではないかとされていますが、発熱量、消費電力などを考えるとLombardにはRage Mobility M1ないしMの搭載が自然であると考えるのは私だけではないと思います。逆に言えばLombardの不自然なディペンディングはRage Mobility M1の量産待ちだったという意見は如何ですか。初めはもしかするとRage Mobility Pを搭載してソフトウェアDVDを実現、少し遅れてマルチモニターモデルが出てくるかも知れませんが・・。

参考

  1. ATI Technologies Inc.:TI announces new RAGE MobilityTM-M1 -- the world's first notebook PC graphics accelerator with 8MB of integrated memory
  2. ATI RAGE MOBILITY,4/Feb 1999
  3. RAGE Mobility-M1,RAGE Mobility-M1の正式発表、27/Feb 1999

 

Medical macintosh (c) 1998,1999,2000,2001,2002

Written/Edited by Y.Yamamoto M.D.

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