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20/Apr

Adaptive Battery Life Expander

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013_IBM Travelstar 25GS

013_IBM Travelstar 25GS

Travelstar 25GSは、GMR,PRML,head load/unload機能、ABLEなどの革新的技術の集大成である。

The innovative hard drive design combines IBM giant magnetoresistive (GMR) head technology, Partial Response Maximum Likelihood (PRML) digital channel, a head load/unload feature, Enhanced Adaptive Battery Life Extender (ABLE) 3.0.

014_mobile hard drive

IBモバイル用ハードディスク開発の最先端を担うIBMは、1995年に最初のAdaptive Power Management機構を発表した。

IBM, the leader in mobile hard drive technology, was the first company to introduce adaptive power management for hard drives in 1995.

014_mobile hard drive

015_Conventional hard drive power management

Adaptive Battery Life Expanderを搭載しない、通常のドライブはだいたいこの図のような仕組みになっている。Idleモードからの復帰には40ms消費し、Standbyモードからの復帰には1.5秒から5秒間かかる。これらのモードに切り替わる時間は固定である。

Conventional hard drive power management. In one common implementation of Idle mode,the head is parking position. The drive will require about 40 msec to return to Full Power mode. In standby mode, it will require between 1.5 and 5 seconds returning to Full power mode.

015_Conventional hard drive power management

016_Adaptive Battery Life Expander

016_Adaptive Battery Life Expander

Adaptive Battery Life Expanderのすぐれている部分は、各モードへの投入時間が可変であり、ドライブの使用状況に合わせてインテリジェントに設定されるということである。しかし、Fast Idleモードからの復帰には40msと問題ないが、Low power Idleモードからの復帰に400msかかるため、アクセスに息継ぎが生じ、フィーリングを悪くしていると思われる。

Adaptive Battery Life Expander determines the appropriate amount of time to spend in each mode based on the access activity. But, in Fast idle mode, the head is moved to parking location parked. Recovery time to Active mode is about 40msec. In Low Power Idle mode,it will require 400 msec to return to Active mode. Hard disk waiting problem due to this time too long,I think.

 

016_ATATest 1.0d1

Adaptive Battery Life Expanderのパラメーターを調節できる。値が大きいほどパフォーマンスが上昇する。

ATATest 1.0d1 can change Advanced Power Management value. Max means Maximum performance.

016_ATATest 1.0d1


バイル用のハードディスクの容量は、日々大きくなり、性能も向上しています。回転数は5400回転を越え、容量は最大で32Gbyteと、デスクトップ用3.5インチハードディスクに迫る製品も発表されました。

しかし、性能と引き替えに回転ノイズの増大や、発熱、消費電力の増大などマイナス面も見受けられます。モバイル用ハードディスクには、デスクトップ用ハードディスクに投入された新技術だけではなく、独自技術も採用されています。その中の一つが、フィーリング悪化させていたことが判りました。

今回、「体感」を改善するため「賭」に出た前川氏と、そのためのツールである「ATATest」を御紹介いたします。

その前に、マイナスフィーリングをもたらしていた技術についてご説明しなければならないでしょう。それがAdaptive Battery Life Expander(ABLE)です。


このABLEは、非常にすぐれた省電力のためのコントロール機構です。1995年からIBMはこのABLEをモバイルハードディスクに搭載し、現在はversion3にまで至っています。

015_Conventional hard drive power managementを見てください。これは従来のハードディスクの省電力機構を図で表したものです。データのやり取りが終了した後、例えば5秒間はフルパワーでハードディスクは動きます。その後はidleモードになり、消費電力は約半分になるととも

に、ヘッドは休憩位置まで待避します。しかしヘッドはまだディスク上にあるため40msでアクセスを再開できます。さらにアクセスが起こらず数分が経過するとstandbyモードとなり、消費電力はさらに小さくなります。このモードから復帰するのには通常1秒半から5秒というとてつもない時間が必要です。スタンバイではモーターが止まっているからです。それぞのモードに切り替わるタイミングは固定であり、融通が利かないという側面も持っています。

つぎに016_Adaptive Battery Life Expanderをご覧下さい。データアクセス終了後、速やかにFast Idleモードになっています。いままでのIdleモードに相当し、40msの比較的短い時間でデータアクセスを再開することができます。

さらにアクセスが起きず、時間が経過するとLow Power Idleモードに移行します。このモードではヘッドは傾斜のついた格納位置に収納されます。

IBMではこのヘッドの待避をHard disk drive Ramp load/unload technology*1と呼び、ハードディスクの大容量化と対ショック性能の向上を目的としていると説明しています。*2 アクセス再開まで400msを要します。

時間が経過するとStandbyモードになることは同じですが、IBMではスピンアップを含めて2秒でアクセスできるとしています。

驚くべきことにハードディスク自身が、データのアクセスパターンを解析し、パ

フォーマンスを害することなく省電力を実現するために、これらのモードへの投入タイミングを最適化する学習能力を備えているというのです。*3


さて、東芝のMK1214GAPがユーザーの声を聞くと、たまに「スクロールする度に引っかかる感じがする」「コロンという音がして動作が休止する」「日本語入力文字を取りこぼす」「MP3が途切れる」といった声がありました。*4

性能的にすぐれているはずの東芝MKシリーズのフィーリングの悪さを指摘する声が強かったのは、期待が大きかったからなのかもしれません。PowerBook (FireWire)が発売され、デスクトップユーザーが大挙してPowerBookユーザーになった今日、IBM製のDARAシリーズでもこの「とぎれ」「カランと言う音がして、引っかかる」とフィーリングの悪さを指摘する声が出てきたのです。*5

いろいろな問題が指摘されました。当初私は暫く操作を受け付けなくなるThermal recariblation動作がフィーリングの悪化を招いているのだと考えていました。しかし、そんな強烈な休止を指していたのではなかったのです。私を含めPowerBookユーザーの多くが「こいうものだ」と納得していた非常に小さな「引っかかり」がデスクトップでは採用されていないABLEに起因する物であったと突き止めた人がいます。

前述の前川氏はATA Managerを駆使し、


直接ハードディスクにコマンドを送ることでこの省電力機構の味付けを変化させるプログラムを開発し、私どものBBSのなかで話題になった*5「フィーリングの悪さ」を解消したのです。

「ATATest」は原理的にABLEのパラメーターを変更し、パフォーマンスと省電力の分岐点を設定できるようにするものです。IBMの資料では最近の高性能ハードディスクを搭載したノートブックではABLEのt調節次第で約10%のバッテリー持続時間の違いがあるとしています。それに引き替えるベンチマークテストの差は0〜3.3%に過ぎないといいます。*3

しかし実際にはLow power Idleモードから復帰する400msは耐え難いフィーリングの悪化を生んでいたのでしょう。

数字に表れない「体感」を向上させるという意味では実にMacintosh的プログラムであると言えるかもしれません。

しかし、注意すべきはパフォーマンスと引き替えに、発熱の増加、そしてヘッドが長時間待避されないための、対ショック性能の悪化という事実です。

使用に際しそのことをふまえることは言うまでもありません。作成途中の実験プログラムである「ATATest」をわれわれのために快く公開して下さった前川氏に最大の賞賛を送ると共に、自分の目的をしっかりもって使用すべきです。

前川氏のATATestの公開ページ

なお、このプログラムは現在PISMO専用であり、Wallsreetユーザーは残念ながら本体側のバージョンが古いため使用できないそうです。Lombardは未検です。まだ公開から2日間しか経過しておらず、現在もBBSでは活発な意見交換が行われています。*5 有志はスレッドを参照して下さい。

現在バージョンがあがりPowerBook, iBookでの動作確認が相次いで報告されています。

謝辞
プログラムの作成、公開、そしてページへのリンクを快諾してくださった前川氏へ御礼申し上げます。
*1IBM hard disk drive load/unload technology
*2ハードディスクからの異音
*3Adaptive Power Management for Mobile Hard Drives(Adaptive Life Expander TM)(PDF)
*4MK1214GAPが起動ディスクに出来ないのはなぜ?
*5やっぱり気になる不安定なH.D(BBS)
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Written/Edited by Y.Yamamoto M.D.
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