1997年半ば、IBMはTravelstar 4GTに、ハードディスクのヘッド及びディスク表面保護にRamp Load/unload technologyを採用しました。*1 これは、それまでのディスク停止時のヘッドを保護するための機構を改良したものです。
それまでは、ディスク表面にヘッドを休める場所を用意し、その部分はヘッドとディスクが接着するのを防ぐために、意図的に表面が「粗く」してありました。お互いに平滑なものが触れ合うと、分子間力で接着が起きます。ディスクが停止しているときはこの部分にヘッドがあり、回転が十分な速度に達すると、初めてヘッドが記録面に移動するようになっていました。
しかし、1997年半ば、より高密度記録に対応するため、ディスクの表面の平滑性を増加させ、ヘッドも特殊なものになり、さらにヘッドを休める場所まで記録面として利用する様になりました。そこで、運搬時や、スピンダウン時、すなわちディスク停止時のヘッドの格納場所を、ディスク外に用意することにしたのです。これがIBMで言うところのRamp Load/unload technologyです。専用格納場所へのヘッドの出入りで、「カラン」という比較的大きな音がします。
最新のハードディスクでは、この音は小さくなり、ほとんど気にならなくなっていますが、動作待ちがフィーリングを悪くしている場合もあります。この格納頻
|
度を調節するユーティリティについてご紹介しいます。
- HardDiskのフィーリングを改善する試み〜 ABLEの調節とATATest〜
- HardDiskのフィーリングを改善する試み(2)〜 APMTuner光と陰〜
それでは、ハードディスクから出る音について、まとめてみましょう。
ハードディスク単体を持ち上げたり、裏返したときに内部から「カチャ、カチャ」と小さな音がする。
531_HardDiskをご覧ください。内部には固定されていないパーツもあります。最近のハードディスクから音がするのは正常です。
「シュー」という連続音
耳障りな高周波音です。最初は静かでも経年変化で大きくなります。流体軸受けドライブで改善するという説もあります。
ハードディスクにアクセスしたときに聞こえる小さな「コツコツ」音。
アクチュエーターの音です。ヘッドが動くときにします。最近のハードディスクは大変小さなおとになりました。
|
- アクセスが終了したとき、間歇的にハードディスクにアクセスするときにする、「チチャリ」という音。
これが前述したRamp Load/unload technologyに伴う音です。旧型のハードディスクは比較的大きな「カランッ」という音がしていましたが、最新型はあまり気にならない音量です。
動作に関係なく、突然する大音響。「バッッチーーンッ」という何か、はじける音。DJSAになってからは「トローッン」と音は柔らかくなったが、気になる音。
これがもっとも心配になる音です。ただ、この音が起きる=異常ではありません。正常動作時にも1日数回は聞こえます。おそらく一種の補正動作(サーマルリキャリブレーションなど)と思われます。DJSAなどキャッシュが大容量の場合は、この音が発生してもほとんど動作に影響はありません。しかし、この音が連続し、1分間に3〜4回発生する場合は、補正できないトラブルが発生していると考えるべきです。そのハードディスクは寿命と考え、バックアップをとり、交換が望ましいと思います。
-
*1IBM hard disk drive load/unload technology
-
|