A:PowerBook FireWire用高密度メモリの一部はPowerBook G3 Series 1998,1999(以降PowerBook G3 Seriesとします)で使用できないものがあります。
米国でご活躍中の南先生からのレポートで一部のメモリが使用できないことがわかりました。これらのメモリはPowerBook FIreWireでは問題なく使用できる反面、PowerBook G3 Seriesに装着すると半分しか認識されないなどの不具合が発生します。
先にPrism氏がPowerBook FireWireに1GByteのメモリを搭載することに成功し、その時に使用したメモリを516_512Mbyte 2inch SO-DIMMに示します。このSO-DIMMには256Mbit SDRAMが総計16個使用されており、PowerBook FireWireでは256Mbit SDRAMを総計32個使用できることが判っています。
これに対し、南先生がPowerBook G3 Series 1998に512Mbyteのメモリを搭載した時に使用したのは513_256Mbyte 1.5inch SO-DIMM Moduleです。128Mbit SDRAMMが両面に16個使用された1.5インチハイトのSO-DIMMで、隙間無く非常に高密度です。使用されているSDRAMは東芝製TC59SM708FT-80です。メモリ構成は4M words×8bit×4banksで*1、PowerBook G3 Series 1998デベロッパー
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ノートの互換リストには記載がないものの*4、PowerBook G3 Series 1999のそれにはあり*3、問題なく使用できています。
PowerBook G3 SeriesのCPUドータカード裏側のSO-DIMMスロットの物理サイズが1.5インチ以下であり、これまではiBook用など1.25インチメモリの流用が可能であると考えられていました。
しかし、南先生の試行によると、1inchハイトのMemoryX製256Mbyte SO-DIMMをPowerBook G3 Seriesに装着した場合、半分の128Mbyteしか認識されないことを知らせてくれました。このSO-DIMMにはIBMの256Mbit SDRAMの 0325164CT3Aが8個使用されています。メモリの構成は4M words×16bit×4banksで*5、0518_SDRAM List *2,*3,*4に示したPowerBook FireWireの互換リストには記載がありますが、PowerBook G3 Seiresにはありません。
以上よりPowerBook G3 Seriesに256Mbit SDRAMの使用されたSO-DIMMを使用することは問題があることが判りました。
しかし、問題はこれだけにとどまりませんでした。128Mbit SDRAMを計16個使用したPowerBook FireWire用2インチハイト256Mbyte SO-DIMMにも半分しか認識できないものがあると南先生は合わせて知らせてくれたのです。
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調査すると使用されているのはNEC製の D45128841G5-A80-9JFが使用されていました。このメモリの構成は8M words×4bit×4banksなのですが、PowerBook FireWireの互換リストにも無い構成です。現在PowerBook FireWireで使用する上では問題が出ていないそうですが、PowerBook G3 Seriesでは半分しか認識されず使用出来ないそうです。
同じ128Mbit SDRAMでも、PowerBook G3 Seriesでは認識できず、PowerBook FireWireで使用できるものがあることから、使用されているメモリチップの数と容量から使用の可否を簡単に想像することは難しく、使用チップのデータを調べる必要があります。流用には注意する必要があります。
謝辞
メモリの互換問題についておしら頂いた南先生、ならびに1G搭載を報告していただいたPrism様に、この場を借りて御礼申し上げます。
- *1 TC59SM716/08/04FT DATA SHEET
- *2Developer Note PowerBook Computer
- *3Developer Note PowerBook G3 Series 1999
- *4Debeloper Note PowerBook G3 Series 1998(PDF)
- *5 NEC μPD45128441, 45128841, 45128163 128M-bit Synchronous DRAM DATA SHEET
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