今回は1.8インチ、2Gbyteの東芝製ハードディスクを御紹介しましょう。インターフェースはPC Card ATAで、以前のPC Card Hard DriveがType IIIであったことと比較すると、Type IIの907_TOSHIBA MEHDD20Aはとても薄く感じます。
スペックを見ると4200rpmのドライブでメディア転送速度130Mbit/sec(約17Mbyte/sec)だそうです。*1 ただし、バッファーサイズが一般的な512Kbyteの半分である256Kbyteしかないことが気になります。最近の、DJSA-232,230,220に見る、バッファーサイズ2Mbyteの有用性を体感したあとでは、見劣りするかもしれません。しかも512Kbyteで実際に使用できるのは380Kbyte程度であり、256KbyteのMEHDD20Aが相当少ないバッファーで運用されていることは予想できます。
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バーファーサイズに関して言えば、Random書き込み時の速度に大きく影響するはずですが、たとえばデジタルカメラからのデータ搬送を念頭にいれれば、この部分の性能はそれほど重要ではないかもしれません。
909_bench markは、同じPC Card ATAインターフェースを搭載するCitiDisk for Mac(旧製品)との比較です。内蔵したドライブはTravelstar 8GSですが、ほぼ互角のデータとなりました。ランダムアクセスでの性能差は20%前後で、System Infoのベンチマークでは大きな差は出にくいようです。
シーケンシャル書き込みの速度を観察すると、小さな容量での速度が良いことから、トランザクション時間が短く、コントローラーの性能の良さが出ています。しかし、約2MByte/secの転送速度で頭打ちになっていることを見ると、PC Card ATA自体の限界を感じます。
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読者からの指摘では、使用後に907_TOSHIBA MEHDD20Aを取り出すと、非常に熱いそうです。R/W時の消費電力は2.5インチハードディスクの約半分の1.3Wなのですが、アイドル時の消費電力が0.5Wと大きめなうえ、筐体が小さいのが災いしているのかも知れません。
PC CardハードドライブがType IIになったことで、PowerBook G3 Series 1999 (Bronze)以降のPowerBookでも利用できることの有用性に着目すべきでしょう。
謝辞
今回MEHDD20Aに関して、写真データ、計測データの提供を読者にお願いしました。ご本人は匿名を希望されましたのでお名前は伏せますが、大変ありがとうございました。
#1 TOSHIBA-Media Resort-MEHDD20A
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