BlueChip LS Prototypeのベンチマーク測定は、実際のところ困難を極めました。起動中にエラーが連発し、まともに起動できなかったからです。
原因は何でしょうか。最初は発熱を疑いました。使用されている173_PPC7410RX500LEは最高105度までの温度にも耐えるG4チップではありますが、周辺のキャッシュやGrackle IC、メモリがこの温度に耐えられない可能性も考え、Grackleに熱伝導シリコンゴムを付加するなど工夫を重ねましたが、冷間時にも起動できないなどまったくテストが進みませんでした。
そこで、178_SI-DIMM SPD listにある3種類のメモリを使って調査しました。「256Mbyte 2inch」が一番安定していたので、それを使用してベンチマークテストを続行することができました。
それではみなさまからの要望があった項目についてまとめていきましょう。
発熱量はどのくらいですか?
PowerBook G3 333/14のヒートスプレッダーとヒートシンク間に熱センサーを設置し測定した最大温度は49度でした。
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BlueChip LS Prototypeはテスト中最大67度になりました。約65度になると空冷ファンが回転しますが、174_PowerBook G3 Series 1999 Heat Sink Systemのように、ファンが回っても温度が急激に下がることはなく、CPUの作業量が減少して下がるといった観があります。あきらかに温度は高くなりました。液晶を閉じた状況での使用は現状では無理でしょう。
バッテリー持続時間は?
175_BlueChip LS Prototype graphic benchmarksに示しましたが、G3 333/14と比較すると2/3に短縮しました。また、現状ではスリープからの復帰はできませんでした。この点に関しては、クロック数を落としても、低電圧駆動型のG4の使用を提案したいと思います。
Photoshopの処理速度は?
テストしたLombardには純正ハードディスクが搭載されていました。これは連続読み書き速度が5メガバイト/秒と遅く、最近のハードディスクの3分の1から4分の1の速度しかありません。Photoshopは独自の仮想メモリマネージメントがあって、ハードディスクの速度に大きく影響されます。大変条件の悪い測定にもかかわら
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ず、176_BlueChip LS Prototype Photoshop 6.0 filter testのように、普通の処理でも1.5倍、優れた物であれば2.5倍の処理速度があることがわかりました。まさにG4の力といえるでしょう。
Mac OS Xはインストールできますか?
Mac OS X 1.0.3はインストールできませんでした。もっとも安定するメモリを使用しても、最後の最適化の部分でエラーがでてしまいました。
純正状態でインストール後、起動してみましたが、時々画面が乱れ、カーネルパニックを起こしてしまいます。また、Cache Control X 1.0b1 for OS Xがまだ7410に対応していないため、L2キャッシュが駆動しません。
価格はどのくらいですか?
現在はわかりません。ただ、あまりに高価ならiBookを購入したほうが良くなります。最初にBlueChipが販売された価格を想像し、期待しています。
これまでのメモリは利用できますか?
この部分が今回の一番の問題です。SO-
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DIMMメモリにはSPDと呼ばれるEEPROMがあって、メモリの性能や設定事項を記憶しています。177_DIMM SPD and Grackle IC programingのように、起動時に読み込まれ、この情報をもとにGrackle IC(Memroy controller and PCI bus bridge)がセットされます。メモリチップの性能や特性に関連無く動作が不安定になるため、そのSPDの内容について比較してみたのが178_SI-DIMM SPD listです。その結果、「2番目のアクセス時の最短サイクル時間」が短い物は動作が安定しませんでした。必ずしもこれが原因であるとはいいませんが、何らかの関連があるのではないかと考えています。
多くのSO-DIMMを調査すると、最近販売されている多くのメモリは、この値が小さく、逆にPC66用として販売されていた古いDIMMはこの値が大きいことがわかっています。PowerBook G3 1999発売当時に増設したメモリなら動作の可能性もありますが、PowerLogix社がなんらかの対策をとらなければ、解決しないと考えます。
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しかし、この対策法が確定すれば、純正のPowerBook G3 Series 1999でMac OS Xが使用できないユーザーには朗報となるでしょう。BlueChip LS Prototypeで発生している問題と、この問題には多くの類似点があるからです。PowerLogix社の技術者は既にこの問題について、ある程度の打開策を用意しているとも伝えられています。期待して待つことにしましょう。
Mac OS XおよびMac OSの使用許諾に書かれているboot ROMのバックアップの可否について
Mac OS XやMac OS 9の使用許諾書にははっきりとboot ROMのバックアップは許さないと書かれています。一方MacOS 8.6には一組であればboot ROMのバックアップを許可すると書かれています。
このことからMacOS 8.6で使用するにとどめるユーザーは、これまで通りboot ROMを抽出し、BlueChipに移して使用することが可能でしょう。
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だたし、MacOS 9やMac OS Xを使用したいユーザーは、Flash ROM形式のBlueChip LSは使えないことになります。私は使用許諾書を尊重するためにも、Flash ROM非搭載モデル(Mac OS 9以上用)のパッケージも平行してリリースし、純正カードからのROMの移行作業をセットにして販売することを提案します。
注意
これらの情報は製品になる前のprototypeを対象に評価しています。性能や安定性、問題点などは製品版と異なる場合があることをあらかじめご了承ください。また正式発表前の製品であることから、PowerLogix、PowerLogix Japan両社への問い合わせなどはご遠慮していただけると幸いです。
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