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13/Nov

BlueChip

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098_PowerLogix Blue Chip G3

098_PowerLogix Blue Chip G3

PowerLogix Blue Chip G3はWallstreetユーザーに許された「ファームウェア」のコピー権利を行使し、アップグレード待ち時間0を実現している。パワーブックを仕事などで使用し、ひとときも休止を許さないユーザーには福音となったが、作業を個人で行うリスクを考えなければならない。

099_BlueChip G3 Package (obverse)

パッケージ表面には現行最高機種であるPowerBook FireWire 500よりもプロセッサベンチマークが優秀であると書いてある。確かに233MHzで駆動されるBack side cacheが、200MHzで駆動されるPowerBook FireWireよりもすぐれているためだろう。

パッケージ写真掲載許可:PowerLogix Japan社

099_BlueChip G3 Package (obverse)

100_BlueChip G3 Package (reverse)

100_BlueChip G3 Package (reverse)

パッケージの裏側には非常に簡単ではあるが、アップグレードの手順が表記してある。説明書を読んでも、ヒートシンクの装着が追記してある程度で、ほぼこれと同じ行程でアップグレードは終了する。全体の流れを把握してから、アップグレードに望むべきだ。

パッケージ写真掲載許可:PowerLogix Japan社

101_PowerLogix Flash Utility

これを起動する前に準備する必要が2つある。まず、MacOS Xのインストールしてあるハードディスクの場合、ハードディスクのフォーマットが必要なことだ。もう一つはFlash Utility自体をハードディスクにコピーして、機能拡張を読み込まない状態で再起動し、実行するひつようがある。

101_PowerLogix Flash Utility

102_SO-DIMM Slot

DIMMを差し込むときは斜めに、奥まで確実に差し込めるはず。純正よりもやや硬く、また端子が完全に隠れるほど深く入る印象があった。最後に「パチン」という音がしてロックがかかる。このとき、DIMMによっては物理的に干渉してしまうものがある。この件については後日触れる。

102_SO-DIMM Slot

103_tools

103_tools

BlueChip G3に付属する工具、ヒートシンクに熱を伝えるHeat Spreader、そしてCPU DieとHeat Spreaderの熱伝導率を上げるためのシリコングリスである。シリコングリスは非常に少量であるが、Heat Spreaderの中央部分に少量塗布するだけなので、必要十分であると思われる。塗りすぎは伝導ロスに繋がるからだ。

なお、現在流通している製品はチューブに入ったシリコングリス1mlが付属している。

104_Set Heatsink

104_Set Heatsink

ヒートシンクを装着するにあたり、図中の2番目の爪が、BlueChip G3のSO-DIMM socketに干渉する場合がある。これはBlueChipの装着自体に問題が有る場合も含まれている。Daughter Cardが確実にマザーボードに装着されているかもう一度確認すべきだ。

写真提供:今井一成氏

105_PowerLogix BootROM

確実に装着しされたBlueChip G3は、最初の起動時にオリジナルのBootROMで起動する。そして、ハードディスク内部のROMファイルを読み出し、Flash ROMに格納する。この行程は長くても1分ほどで終了するはずだ。2分以上かかったり、下の緑のバーが動かない、もしくはInitializing IDEで停止してしまうなら、途中電源OFFして販売店に相談する勇気も必要だろう。

105_PowerLogix BootROM


PowerLogixのBlueChip G3について、インストール中に不具合があり、不幸にもPowerBook G3 Series 1998本体が故障してしまう事例が報告されました。動作が不安定であるという声もありました。本当にそうなのでしょうか?

そこでPowerLogix Japanの長門氏に直接お会いし、現状についてご意見を拝聴してまいりました。

Q:実際にどの程度が市場に出回っているのでしょうか?

長門氏:日本市場を優先し、米国よりも多い400弱の出荷を行いました。そのうち、半分は既に装着されているのではないでしょうか?

Q:私のところに初期不良と思われる方や、それ以外の問題を抱えているかたが、約10名情報を下さっています。不良はどの程度あるのですか?

長門氏:現在、BlueChip G3自体の初期不良は3台のみです。

Q:実際に動作しているが、フリーズが増えてしまった、ということを訴える人がいます。どこに問題があるとお考えでしょうか?

長門氏:メモリに問題があると考えています。

Q:メモリが原因として、相性問題が発生した場合、どのように対処できますか?

長門氏:プリンストンテクノロジー社と協同し、BlueChip G3対応メモリの販売を行っています。このメモリを装着した場合、不具合が発生した場合は、初期不良として対応していくことが可能です。*1

調査の結果、メモリとの相性問題はありますが、数は大変わずかです。多くは、ソケットの接触不良に起因していると考えられます。詳しくはBlueChip G3 466の安定性とメモリーを参照してください。PowerLogixの長門氏より、調査のためにBlueChip G3 466をお借りしレポートしていくことにします。

こで、インストールに際し注意すべき点を列記します。まず説明書を熟読したうえで、

(1)MacOS X Betaをインストールしている場合は再フォーマットが必要です。これは105_PowerLogix BootROMがMacOS X Betaのインストールで、パーテーションを認識できなくなる

ためだと考えています。同様にExpansion Bay Driveでのインストールは出来ません。

CDにアクセスするための機能拡張も、101_PowerLogix Flash Utilityの動作に影響するので、前もってハードディスクにこれをコピーしておきます。説明書にも明記してある通りに、「シフトキー」を押しながら再起動し、Flash Utilityを起動します。問題がなければ自動的にシャットダウンするでしょう。

(2)CD-ROM,バッテリー、ACプラグを確実に抜きます。あわてると、うっかりACプラグを抜き忘れます。説明書にもあるように必ず確認してから、ゆっくりおこないましょう。

(3)ハードディスクを取り外してからドータカードを取り外しましょう。そのほうが作業性がよいです。付属の説明書にはハードディスクを装着したまま、専用工具で取り外すよう記載されていますが、これはハードディスクへの障害を未然に防ぐための配慮であり、自己責任のもと、ハードディスクを取り外してからのほうが格段に楽です。


(4)下側のSO-DIMM Slotのみに、純正で付属したDIMMを、装着します。これは、上のスロットにDIMMが装着されているとDaughter cardを確実に装着できない場合があるからです。また、相性の悪いと思われるDIMMで、flash ROM書き込み動作時のトラブルが起きることを未然に防ぐという意味もあります。

(5)SO-DIMMは奥まで確実に装着します。102_SO-DIMM Slotでアニメーションgifで示しますように、斜めの角度で確実に装着し、ロックします。

(6)シリコングリスを塗りすぎないようにします。Heat spreaderの中央に、ほんの少量載せる程度でいいと思われます。つけすぎは熱伝導の邪魔になるでしょう。またヒートシンク脱着時は、Heat spreaderに付着したシリコングリスを中央にかき集める程度でことたりるはずです。

(6)Doughter Cardを確実に装着します。純正よりもソケットが新しいためか、手前よりも奥がすこし浮いてしまうようです。上面のSO-DIMM SlotにDIMMを装着していなければ、基板自体を確実に押し

込めます。104_Set Heatsinkで、HeatSinkの2番目の爪がDIMM socketのロックと干渉し、填めにくい場合は、Doughter Cardソケットに浮きがあると考えるべきでしょう。

キーボード元に戻し、ACプラグを装着して起動ボタンを押します。特に起動音はせず、105_PowerLogix BootROMに示す画面が出ます。進行状況を示す緑のバーが動き、約1分ほどで自動的に電源が切れるはずです。もしこのとき、Initializing IDEなどと表示されたところで停止してしまうとか、緑のバーが動かないなど、2分以上経過しても先に進まない場合は、AC電源を抜いて、販売店に相談したほうがよいと思われます。このときにあわてて作業を進めると、PowerBook本体に災害が及ぶおそれもあるからです。

再起動でいつもの起動音がすれば、一段落です。未装着のメモリがあればもう一度分解が必要ですが、(7)再分解時にAC電源を抜くことを忘れないようにしましょう。

メモリとの相性問題については、物理的問題、電子回路的問題の2つに分けられます。BlueChip G3とSO-DIMMの相性問題についてはここを参照下さい。

*1PowerLogix Japan BlueChip FAQ


謝辞

写真掲載のご許可、BlueChip G3の貸与など、PowerLogix Japanの長門様には大変お世話になりました。

また、この記事を作成するにあたり、HANA様、take様、マコト様、Chabo様、朴念仁様、tyagi様、Masaki様、岡田様、KEN様、鷲見様、Tada様、仲沢様、shinji様、ヒトシ様、MARINA様、今井様、yoshitake様、BAM-System様、トトロ様、Shingo様、Norio-K様、KTM様、MASAKIMI様、よこむむ様、Tokmas様(順不同)のご意見が大変役立ちました。この場を借りて御礼申し上げます。


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Written/Edited by Y.Yamamoto M.D.

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