PowerBook G3 Series 1999 (Bronze keyboard)はWallstreetのアーキテクチャにDiVA PC MPEG2 decoderを搭載し、薄くて軽い筐体が与えられたモデルです。333MHzと400MHzの銅配線CPUが与えられ、バッテリーの持続時間がのびたことも喜ばれました。
FireWire、AGPグラフィック、ATA66インターフェースを実現したPowerBook 2000 (FireWire)の発表までの比較的短い間だけ販売されたにもかかわらず、Macintoshというロゴを持つPowerBookを比較的多く見かけるのは気のせいではないでしょう。
2世代前のPowerBookとはいえ、400MHzのG3を搭載するため、いまでも十分な性能を持っていることは確かです。そのCPUをより高性能な物に置き換えることで、性能を第一線に引き戻すものが、今日、世界に先駆けてご紹介する、BlueChip LSです。
それでは165_BlueChip LS Prototypeをご覧ください。注目すべき点は搭載されるCPUです。G3ではなくG4が搭載されています。使用されているチップは最新のリビジョン1.4のPPC7410RX500LEでした。PowerBook G4に搭載されているのはリビジョン1.3ですので、それよりも新しいものになります。
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PowerBook G3 SeriesにG4が搭載できるようになるには数々の困難を乗り越えなければなりません。その最大の問題が発熱です。PPC7410はPPC7400の改良版であり、最新のリビジョン1.4にはコア電圧1.5ボルトで動作するType Nが存在し、従来の半分、わずか7.43Wの最大発熱量、typicalでは3.29Wしか消費しません。BlueChip LS prototypeに採用されたのはコア電圧1.8VのType Lですが、最大耐熱温度105度と放熱の不得意なノートブックには最適といえるでしょう。G4がここまで進化したからBlueChip LSが実現したといっても過言ではないかもしれません。
L2キャッシュにはサイクルタイム4ns、最高250メガヘルツで動作可能なパイプラインバーストSRAMが1Mbyte使用されています。この組み合わせは後で述べるように、PowerBook G4と同じL2パフォーマンスを実現し、PowerBook FireWire 500MHzと比較するなら1.5倍の数値を叩き出しまた。
しかし、167_BlueChip LS Prototype (reverse) and 333MHz Lombard CPU Daughter cardを見るとわかるのですが、North Bridgeは純正と同じGrackle IC、(MPC106ARX66)です。このためG4は
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通常のMPXバスではなく60xバスプロトコルでメモリを利用することになります。これは十分な性能を発揮できないでしょう。特にバスクロックが66MHzでI/O周りが低速なPowerBook G3 series1999においてはどの程度影響をうけるのか気になるところです。
これらのメモリパフォーマンス、Alitvecの実力や、LombardがかかえるMac OS Xに関する問題点など、Prototypeを詳しく調査した結果は後日、お伝えできるでしょう。(つづく)
謝辞
大変貴重な機器の貸し出しをはじめ、PowerLogix Japan社に大変お世話になりました。ありがとうございました。
注意
これらの情報は製品になる前のprototypeを対象に評価しています。性能や安定性、問題点などは製品版と異なる場合があることをあらかじめご了承ください。また正式発表前の製品であることから、PowerLogix、PowerLogix Japan両社への問い合わせなどはご遠慮していただけると幸いです。
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