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1/Apr

ECO Canceller with AltiVec Tech

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Eco Canceller Implementation with Motorola AltiVec Techが昨日の未明に発表されました1)内容的にはG4のAltiVecが持っている能力を100%引き出すというものです。地球的視野では温暖化に逆行するテクノロジーであることは否定できませんが、なりふり構わないモトローラの姿勢が見え隠れし、大変興味深い技術であると思います(^^;)

fig.1 Chip Coolers HT3281-D,Thermal Measurement Reportより2)金属ナトリウムが封入されており、振動を加えることで熱伝導効率が上昇する。

そもそもTAU(Thermal Assist Unit)は設定された温度に達したとき、CPUに割り込みを掛け温度を落とす仕組みになっています3)。この搭載位置はAlitiVecエンジンの内でもその半分を占めるVector Floating Point Unit(ベクトル型浮動小数点演算ユニット)に隣接して設置されています。(fig.2,fig.3)

今回の技術はこのTAUをバイパスするだけでなく、AltiVecに組み込まれているリミッターを解除し、カタログ通りの性能を発揮するという技術です。

ただし、その使用にはCPUダイのメルトダウンを引き起こす心配があるようで、ヒートシンクの設計は新規に行う必要があるとコメントされています。V-maxの発動後しばらく行動不能になってしまうSPTレイズナーを思い出しました。

fig.2 PowerPC 7400(PPC G4)のThermal Assist Unit搭載位置。Vector Floating Point Unitに隣接している。

fig.3 Thermal Assist Unitのブロックダイアグラム3)

参考

  1. Motolora:PowerPC Library Echo Canceller Implementation with Motorola AltiVec Tech 31/Mar 2000
  2. Motolora:Thermal Measurement Report
  3. Motolora:MPC7400 RISC Microprocessor User's Manual

エプリルフールでしたので少し遊んでみました。ドキュメントの本当の内容はAltiVecの有り余る能力で、電話交換機内で発生する音声の反射、ようるすにエコーを消去するプログラムの実装についてが書かれています。少し読み間違えると上記のアーティクルになってしまいます(^^;)

ただし、TAUの動作目的、搭載箇所については事実にもとづいています。例えばMobile Pentium IIなどはこの機能が大いに働き、温度制御しながら駆動しています。最近はコア電圧まで可変となっていて、冷却ファンの制御などと合わせてバッテリー駆動時とそうでないときの性能に差が出ています。それに比べると、PowerBook (FireWire)などはCPUの発熱はそれほどでもなく、純粋に省電力だけを目的に、CPUの動作モードが変更されており、デスクトップと同じ性能がノートブックでも得られています。パワーブックの冷却用ファンのコントロールプログラムが本体CPUではなくPMUによっていることは、その目的の違いを感じ取れます。

おっと、HeatSinkは全くの架空です。製品型番は実在しますが、もちろん融点97.81度の金属ナトリウムが封入されているわけはなく、物理的移動による熱伝導の効率化の話は高出力ターボ車や、メルセデスベンツのナトリウム封入バルブの話であります。CPUをそんなに揺らしてはきっと体に毒でしょう。AltiVecにスピードリミッターが有るのか無いのかは・・・SFの世界ですね(笑)。

丹羽氏のページは25日からエプリルフールに備え、失踪を演出するなど大変大がかりなもので、本気にしたクレームメールも頂けたと聞いております。それに比べ私のこの記事への反応が皆無なのは・・・熱くなりすぎるし、なかなかクロック数の上がらないG4へのブラックユーモアのつもりだったのですが、ちょっと寂しかったりしました。

29/Mar

IBM vs TOSHIBA

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PowerBook (FireWire)に最適なハードディスクはどのハードディスクなのでしょうか。回転ノイズやシーク音などの騒音や、Thermal recalibrationによる休止の頻度など、フィーリングに関連する部分は一言では語れません。また経年変化によるノイズの増加については時間を掛け、みなさまのご意見を集積して行かなくてはならないテーマです。それぞれのハードディスクの相性、フィーリングなどは引き続き、次に上げるアーティクルを更新することとして、今回はPowerBook (FireWire)に新たに搭載されたI/OチップであるKeylargoが採用したATA-66インターフェースを使用するという前提で、「純粋にどのハードディスクが早いのか」を模索したいと思います。

FAQ: PISMO HD Compatibility Matrix
PowerBook (FireWire)に搭載できるハードディスクの実績情報

FAQ:MK1214GAPが起動ディスクに出来ないのはなぜ?

東芝MK1x14シリーズとPowerBookの間の回避できない相性問題について

そこで前回データを提供していただいたPowerBook G3 Seriesメーリングリストでご活躍中のachan先生の測定結果に加え、PowerBook 500/14に東芝のMK1814GAVを組み込んだprism氏に測定をお願いし、UselessMacの旦那氏に届いたばかりのPowerBook 500/14をお借りしてデータを収集と、各方面にご協力を願い収集することが出来ました。ありがとうございました。

測定対象、方法

全ての測定は、PowerBook 500/14に各ハードディスクを組み込み、B's Bench 1.0.7を使用し「デバイスドライバを通さない」設定で測定しました。

  • MK1214GAP
    • 東芝の容量12Gbyte、厚み9.5mのハードディスクです。一部起動しないトラブルを抱えた個体がありましたが、現在は純正搭載ハードディスクとしても使用され、安定動作が期待できます。2.5インチハードディスクとして初めて1Mbyteのキャッシュを内蔵したことでも注目されました。
  • MK1814GAV
    • 東芝の容量18Gbyte、厚み12.5mのハードディスクです。現在、PowerBook (FireWire)に内蔵することが出来る最大容量のハードディスクの一つとなります。MK1214GAPと同様、1Mbyteのキャッシュを内蔵しています。
  • DARA212000
    • IBMの容量12Gbyte、厚み9.5mのハードディスクです。東芝製と同様、インターフェースはATA-66であり、プラターの密度、回転速度もほぼ互角です。唯一の違いは内蔵キャッシュが東芝の半分の512Kbyteであるということでしょう。
  • DARA218000
    • IBMの容量18Gbyte、厚み12.5mのハードディスクです。内蔵キャッシュが東芝の半分の512Kbyteであることを除けば、MK1814GAVとの大きなカタログ値の相違はありません。

シーケーシャルアクセス

fig.2 B's Benchによるシーケンシャルアクセス速度。 ピーク値、平均値、ボトム値を示します。

DARA218000のピーク性能が突出していますが、平均値の比較をすると、同じ容量同士の東芝のMK1x14シリーズとIBMのDARAシリーズの間には大きな差は有りません。

カタログ値に注目すると、IBMのMedia tranfar rateが85.5〜161.6Mbit/sec1)であり、東芝が114.5〜209.6Mbit/sec2)と大きな開きがあるようですが、これまでの経験からこの数字の優劣よりもプラター一枚当たりの容量と回転数に左右されると考えており3)、両者はほぼ同じ構成であることからも上記の結果は納得がいくものです。

シーケンシャルアクセスにおいては、ディスクキャッシュやそのアルゴリズムは影響しません。この結果からは両者に甲乙はつけがたいと言えます。

 

ランダムリードアクセス

fig.3 B's BenchによるRandom Read速度。

統計学的考察を行うまでもなく、4種類のハードディスクのランダムリード速度に違いは無いようです。カタログを比較するとIBMのSeek timeは平均で12ms、同一トラックで2.5ms、Full strokeで23msです1)。東芝は平均13ms、同一トラックで3ms、full strokeで24ms2)とあまり変わりません。データがプラトーになるところまで計測していませんが、トレンドはほぼ同じといえるでしょう。

ランダムライトアクセス

fig.4 B's BenchによるRandom Write速度。 データ提供:achan先生

最も差が出たのがRandom Writeのデータです。東芝のMK1x14シリーズが128kbyte以上のrandom writeで不自然なほど速度が落ちているの対し、IBMのDARAシリーズは緩やかなカーブを描いてキャッシュの最大容量である512kbyteに達するまでキャッシュが効いているのが判ります。

これは明らかにキャッシュに対してのポリシーが違うと理解すべきでしょう。実際のMacOS使用状況で、どの程度の大きさのデータのやり取りが高頻度におこなれるのか判りません。しかし、予想が付くのはたった512Kや1Mbyteしかないキャッシュ容量に対し、その多くを一度に消費してしまうディスクアクセスに対しキャッシュを有効にするよりも、小さなファイルのキャッシュミスや、それに伴うキャストアウトの頻度を低下させることで、実質的な速度向上を期待するアルゴリズムが、東芝のMK1x14シリーズに採用されているのではないかということです。

特に小さな容量のランダムアクセスの性能向上が著しい(Fig.4の赤いエリア)ことからも、私はMK1x14シリーズがPowerBook (FireWire)の内蔵ハードディスクとしてすぐれた資質を持っていると考えます。ご意見お待ち申し上げます。

関連アーティクル

PowerBook (FireWire)のATA-66の実力〜最大転送速度2倍〜 5/Mar

PowerBook (FireWire)詳細〜従来機との比較、ベンチマーク〜 26/Feb

PowerBook (FireWire)詳細〜Link Layer,HeatSink,DVD Video〜 20/Feb

Expo special Jon Rubinstein氏への問いかけとPISMO詳細 17/Feb

Expo special PISMO発表〜そのアーキテクチャの予想〜 16/Feb

 

参考

  1. MK1814GAV:データシート
  2. IBM:Travelstar 25GS
  3. Travelstar 25GSTravelstar25GSについて、速度予測 13/Aug 1999
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