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今回のテーマは「CAS Latencyの違いがPowerBook (FireWire)に及ぼす影響を考える」と致します。これまでのPowerBook G3 SeriesはBronzeもWallstreetもこれらのメモリの性能に影響されませんでした。しかし、PowerBook (FireWire)にCAS Latencyの違う2種類のメモリを使用すると、Appleプロフィールの表示で、異なって認識されることが知られ、場合により性能差が生じる可能性があるのではないか、という疑問が生じたのです。 まずは、SO-DIMMについて復習しましょう。CAS Latencyとはメモリアドレスがセットされてから、実際にデータが出力されるまでの「遅れ」を示します。
Fig.1に示すように、全体のパフォーマンスはRAS to CAS delay(tRCD)やRow precharge time(tRP)に影響され、CAS Latencyはあまり関係がありません。しかし、Burst Lengthが短い場合はCAS Latencyの長短が全体のパフォーマンスに影響する場合も出てくる可能性があります。
fig.3 Uni-North IC内部のブロックダイアグラム予想図 起動シーケンスでSO-DIMMのEEPROMから情報を読み込み、メモリのタイミング操作を行っているはUni-North ICのはずです。さて、これまでの経験からPowerBook G3 SeriesでCAS Latencyの違いがパフォーマンスには影響しないことは知られていました。しかし、PowerBook (FireWire)のUni-North ICでもそれは当てはまるのでしょうか。 今回、これらの調査を募集し、大野氏、小林久峰氏、わたなべ@札幌氏の3名の協力を得ることが出来ました。この場を借り、御礼申し上げます。結論はPC100-222Sのメモリのみ搭載したほうが動作が速く、PC100-322Sを混ぜると遅くなります。PowerBook (FireWire)はCL2のDIMMもCL3で動作しているという話は誤りです。調査結果についてしたにまとめてみましょう。
PowerBook (FireWire)が推奨するPC100-322以上のPC100-222SのDIMMを搭載したとき、その挙動が変化し、より高速にRAMにアクセスすることが判りましたが、そのことによって不都合がおきる可能性は否定できません。引き続きCL2のみで駆動させ安定動作している、もしくは不都合がある場合の情報を募集いたします。PISMO対応SO-DIMMの中に高品質なSDRAMを使用しながら、PISMOに合わせてデチューンしたメモリ情報を載せて販売しているものが見受けられます。場合によるとCL=2の設定には問題があるのかもしれません。情報お待ちしています。
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前回ATA-66(最大データ転送速度66Mbyte/sec)が搭載された割には、あまりハードディスクのアクセス速度が変わらないようだとお書きしました1)。今回はそれを訂正しなくてはならないようです。 ベンチマークソフトウェアにもいろいろ有るのですが、Norton Utilitiesに付属するSystem infoは比較的お持ちの方が多く、データをお送りいただくには便利です。しかし、今回のようにアーキテクチャの変更が大きい場合の比較検討にはやや力不足であることは否めません。 そこで今回はPowerBook G3 Seriesメーリングリストでご活躍中のachan先生にB'sBenchによる詳細なデータを送っていただいたので御紹介致します。
測定結果を示す前にもう一つ、PowerBook (FireWire)のExpansion Bayについて補足説明を行います。というのも今回PowerBook (FireWire)で採用されたATA-66インターフェースは内蔵ハードディスクのみに適応され、Expansion Bayに供給されているのはこれまでと同じEIDEインターフェースです。同じハードディスクをそれぞれに接続したときにどの程度の速度差があるのかも合わせて見てみることにします。 測定対象 全ての測定は、デバイスドライバを通さない測定としました。
シーケーシャルアクセス fig.2 B's Benchによるシーケンシャルアクセス速度。 データ提供:achan先生 PowerBook (FireWire)の最大sequential read速度が20Mbyte/secを越えてはいるようですが、平均値としてはDARA225000と同程度であることが判ります。 ランダムアクセス fig.3 B's BenchによるRandom Read速度。 データ提供:achan先生
fig.4 B's BenchによるRandom Write速度。 データ提供:achan先生 ハードディスク内部のキャッシュが有効な書き込み転送速度の上昇が判ります。コマンドオーバーヘッドの関連で16KByteまでは差は無いのですが、ハードディスク内部のキャッシュが働く512Kbyteまでは約2倍の転送速度が実現しているのが判るでしょう。(Fig.4) それと比較すると他のEIDEを使用する経路はすべて、16MByte/secで頭打ちになっています。特にPowerBook (FireWire)のExpansion Bay経由の転送速度が低いのが気になります。 関連アーティクル PowerBook (FireWire)詳細〜Link Layer,HeatSink,DVD Video〜 20/Feb Expo special Jon Rubinstein氏への問いかけとPISMO詳細 17/Feb Expo special PISMO発表〜そのアーキテクチャの予想〜 16/Feb
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