私の勤務する病院の情報端末では、イントラネットにポータルサイトを用意し、情報伝達を効率化こころみています。すでに1年以上駆動して、問題点、改良点など経験を蓄積し、今回新たにFileMaker Proのテンプレートとして、作成しなおしたのがcom-schedulerです。
病院内での情報伝達手段とする場合、取り扱う情報には患者様の個人情報など、外部に漏れては都合が悪い情報も取り扱います。また、医療従事者全員が専用の端末を持つわけではなく、病棟に一台ある共有端末からアクセスする仕組みも用意する必要があります。
なにより、医師の専門科別の垣根がたかく、同じシステムを利用する場合、セキュリティ的配慮も高くする必要があります。とくにパスワードが管理者に漏れることすら、潔しとしない医師も一般的です。
また、多くの病院で言えることですが、こうした情報端末への予算配分は厳しく、クライアントマシン全部にライセンス料がかかるシステムは受け入れがたいという現実もあります。
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こうした特色を踏まえ、作成したのがcom-schedulerです。サーバーにはFileMaker Pro Unlimitedをインストールし、com-schedulerテンプレートを開いておきます。使用者は、特定のアドレスに通常のブラウザでアクセスするだけで、使用できるwebベースとなっています。
クライアントにはmacintosh,windowsを選ぶことなく、IE、NNどちらのブラウザもサポートしました。
FileMaker ProのWebコンパニオン機能は、柔軟性が高く、手軽で素早く動的なサイトを構築できます。例えば、既に1年以上稼働している前のバージョンのポータルサイトの開発期間は1週間です。プロトタイプの稼働に数時間しかかからないことも希ではありません。その反面、CDMLを知るものにとって、データベースを意図せず操作されるのではないかという不安がつきまといます。今回、イントラネット用とはいえ、この部分の不安を払拭する必要がありました。
com-schedulerの特色は、806_ FileMaker Pro Web Companion and CDML
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のように、CDMLでコントロール可能な公開データーベースには、クライアントとのやりとりに必要な一時的データのみ保管し、文章本体はその後ろの非公開データーベースにおいてあります。データ表示には、乱数を利用したリレーショナルキーを使用して、スクリプト実行ではじめて表示、編集出来るようにしてあります。スクリプト実行には認証データと、クライアントアドレスの二つの鍵が必要です。
また、ログオフ時に公開データベース自体を削除します。ログオフを忘れたとしても、一定時間、操作が行われないと、自動的に消去するスクリプトを併用し、安全性を高めました。
データの編集、閲覧などの動作すべてはサーバーに記録され、時刻と氏名と変更内容が保存、公開される仕組みとなっています。この機能により、簡易的な稟議書的使用方法も可能となります。
一番重要な個人認証には、一般的なパスワードを使用します。パスワードは登録時に、不可逆的な暗号化の一種、ダイ
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ジェスト関数の128ビットMD5を利用しました。これはブラウザ側ではjavascriptで実現します。このことで、サーバー管理者でも、ユーザーのパスワードを解読することは不可能になります。
810_ Encryptation and Cofirmationは認証の具体的方法を模式図にしたものです。パスワード登録時に暗号化されたパスワード(pass code)は認証データベースに保存されます。認証時ごとに発行される基数をもとに、ブラウザ内で更に暗号化します。それと同時に、認証データベース内のpass codeを同じダイジェスト関数を利用してコード化し比較検討します。こうして一致した場合認証とします。不正にencrypted passcodeを入手したとしても、それが有効なのは一回のみで、公開データベースが時間切れになれば、あわせて役立たなくなります。
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なおcom-schedulerはMacWorld Tokyo 2002のConferrence、Medicalトラック参加者に配布できるよう、開発を続けています。
com-suchedulerテストサーバー
login name:guest
password:guset
でテスト利用が可能です。ただし、同じパスワードは一度に一人しかログインできません。テストが終了したら必ずlogoffしてください。新規ユーザー登録していただければ、自由にテストが可能です。
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2/May 2002
com-scheduler 0.93のDownloadを開始しました。
com-schedulerはMacOS 9.x上のFileMaker Pro 5.0用のテンプレート及びCDMLフォームファイルから構成された、グループ用スケジュールソフトです。
schedule.sit (ver. 0.93, 421Kbyte)
manual.pdf (ver.0.92, 296Kbyte)
(注意)
現在、FileMaker Pro 5.5 Unlimitedで、プラグイン動作に問題があります。プラグインは認証システムの根幹であり、CDMLが廃止された現在、再開発のコストがみあわあず、開発継続を断念しています。(28/Sep 2006)
0.93の変更点
旧com-schedulerからデータを移行する場合の不具合を修正しました。
0.92の変更点
deleteキーを加え、削除予約ができるようになりました。また、一定時間経過した文章は自動的にバックアップファイルに移動します。
旧テンプレートからのデータ移行が簡便になりました。
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