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fig.4 PowerBook G3 400/14に装着した状態。
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仮想メモリ専用パーテーションを用意するときどのようにフォーマットすべきですかという質問メールを頂きました。そもそも専用パーテーションを用意する理由はあるのでしょうか? 最近のMacOSは仮想メモリに最適化されており、一部のリアルタイムアプリケーション、例えばDVD Playerなどを除けば仮想メモリを使用した方が良いとされています。確かに仮想メモリを使用した方が、使用メモリの細分化による空き領域の分断の解消に有効であり、メモリリークによる不具合の発生頻度を下げると経験的に知られています。そのため多くのメモリを搭載し、さらに仮想メモリを使用するユーザーが増えています。 仮想メモリ使用時は、起動時にメモりコントロールパネルで設定した容量のVM Storageという名称の不可視属性ファイルが作られます。仮想メモリが少ないメモリ容量を補う目的で使用されていた頃は64Mbyte程の容量でしたが、PowerBookの最大メモリ搭載量が512Mbyteにも達した現在1)、VM Storageの容量も400Mbyteに達することも珍しくなく、搭載ハードディスクの比較的大きな部分をしめるようになっています。 この巨大なVM Storageをハードディスクの中で最も効率よく、高速にアクセスできるように明示的に配置する方法が専用パーテーションを用意することで実現できます。専用パーテーションを用意し、この領域には他のファイルを配置しないようにすれば、ファイルの細分化による速度低下の心配もありません。 それではその専用パーテーションをどこに用意するべきかというのが問題になります。 ハードディスクのプラター上のデータ密度は極限まで高められ、プラターの外周と内周ではデータ転送速度に差があることは知られています2)。また、400Mbyteという容量、単一の巨大ファイルという観点から、フォーマット形式をHFS標準にすべきなのかHFS拡張(HFSplus)にすべきかも迷うところです。 そこで実験モデルを用意しました。ハードディスクをフォーマットしパーテーションを3つ用意しました。ハードディスクの外周(第一パーテーション)に約200MbyteのFrontVM、最内周に同様約200MbyteのEndVMを設置。そしてそれらに挟まれた他の領域をmainとしてその部分にMacOSを搭載し、ベンチマークを施行しました。
それぞれの絶対値(時間当たりのデータ転送速度)を一つづつ比較しました。統計学的手法としては、離散変数であるためノンパラメトリック検定であるウィルコクソン符号付き順位和検定(Wilcoxon signed-rank test)を、random readから256Kbyte writeまでの12種、計24個のデータを対象に行いました。 結果、p=0.0499で、5%の危険率で最外周と最内周では有意に差が存在し最外周がすぐれていると言う結果を得ました。 同様に最外周領域をHFS標準フォーマットしたときと、HFS拡張フォーマットしたときの検討をおこなったところ、p=0.028であり、5%の危険率でHFS標準とHFS拡張では有意に差が存在し、HFS拡張フォーマットがすぐれているという結果を得ました。 結論としては、仮想メモリ用専用パーテーションはHFS拡張フォーマットで、最も最外周、すなわち第一パーテーションに用意すべきであるということです。
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