投影された壁

電子カルテ更新を来年初頭に控え、クライアントのセットアップとソフトウェア環境の確認作業の真っ最中。これまでは、電子カルテ本体に何らかのアプリケーションを導入するということはお願いできず、ずっと我慢してきた。10年以上の説得と実績から、今回初めて小さなソフトを一つ導入することが出来た。

一つだけだが、EGMAIN-GXにhttpインタフェースを追加するもの。サーバーやクライアント上のブラウザから、EGMAIN-GXの機能を呼び出すことが出来るようになる。ブラウザで実現した診療支援ツールから、検査オーダーの起動やエディターへの挿入、グラフなどの貼り付けなど、電子カルテの強化を図れる。

電子カルテの各種ツールをブラウザから呼び出せる。最上位のエピペンはセット登録名。病院カルテの複雑さは細分化されたり大量に登録されたオーダーやプリセット群。階層構造にすることでクリック数が増え、一つのオーダーを選ぶのに最低でも5回程度のクリックが必要。支援システムは目的に応じて次のアクションを提案できても、改めて電子カルテ側で選択し直すという障壁があった。これをショートカットする切り札になる。電子カルテ側インターフェースのベースは「FileMaker対応モジュール」である。ユーザーメードが突破口になったのは確かだろう。

4年前に発注したソフトであるが、結果的に電子カルテ更新まで日の目を見ずやっと導入に至った。しかし、些細な問題も積み残したままだった。JAVAで製造された常駐ソフトであるが、サービス登録できるほどの機能は無く、立ち上げるとタスクバーにウインドウが残ってしまう。このウィンドウを消されてしまうと、電子カルテを再起動するまで機能しなくなってしまう。ウインドウ無しで起動したかったが「セキュリティのためにウインドウがどうしても出てくるのだろう」とあきらめていた。

担当SEからのメールで、このウィンドウを消して稼働すべきと指摘があり、出来ていないとメールする前に、もう一回調べてみた。結果vbsで起動用のbatをラッピングすることで、見事にバックグラウンドで起動したままにすることができた。

何年も漠然と、出来ないものだと決めつけて一歩踏み越える努力を怠っていたことに気づく。壁のなかには自分だけが勝手に作り上げた張りぼてもあるものだと、改めて思う。