17/Mar.

XcarEt Media Bay Unit

これまで、PowerBook 5300ceでは、VSTのMedia Bay用増設ハードディスクを愛用してきました。これはホットスワップが可能であり、軽量でかつ高速でした。バックアップ用途を考えると、高速にアクセスできるリムーバブルメディアが良いと思います。そうなるとHard Diskは最適です。バックアップは量より回数であり、いかに高頻度にバックアップをとるかということの着目するなら、高速で、内蔵ハードディスクと同等の容量を持つHard Diskをもう一つ搭載すれば、手軽に正確なバックアップが出来ると思うからです。

XcarEt Media Bay Hard Drive OGB with IBM Travelstar 6GT

PowerBook G3 Seriesでの同様の製品としては、VSTからPowerBook G3 Series hard driveが発売されていますが、MCΣからも同様の製品が発売されています(1XcarEt Media Bay Hard Driveと呼ばれるそれは、OGB〜10GBまでの製品を用意し、ユニークなことにケースのみ(0GB)の販売も行われています。内部のコネクタ基板を仔細に観察すると、VSTの文字、revision2の文字が確認できました。おそらくVSTのOEMであると予想されます。

そこで、今回急遽 XcarEt Media Bay Hard Drive(OGB)を購入、内部にIBMのTravelstar 6GT(DADA-26480)を組み込み、処理速度など検証しました。

このグラフは、PowerBook G3 300/14の内蔵ハードディスクIBM Travelstar 8GS(DYLA - 28100)と比較したものです。ディスクコントローラーであるHeathrowの信号がそのままExpansion Bayに出ているので(2、速度差は純粋にハードディスクの性能差からくると考えられます。内蔵HDは回転数4900rpmであり、Travelstar 6GT(DADA-26480)の4200rpmよりも高速です。発表スペックもほぼ同等であり(3、内蔵HDの方が高速であると予測されます。しかし、それに反しExpansion Bayに挿入したXcarEt Media Bay Hard Driveの方が、内蔵ディスクより最大で20%高速であるとベンチマークテストの結果は示しています(4

使い勝手については、PowerBook G3 333/14、MacOS 8.5.1(J)、においてドライブ設定1.7.1を使用し、HFS+フォーマット、HFSフォーマットいずれにおいても、ホットスワップが可能であり、大変使いやすいと感じます。値段はXcarEt Media Bay Hard Driveが2万4千円前後、Travelstar 6GT(DADA-26480)が32800円でした。購入情報についてはEquipment for G3 seriesをご覧下さい。

PowerBook G3 SeriesにおけるExpansion Bayで使用できるリムーバブルメディアについて、私が購入し比較したものに限りまとめたページをもうけました。そちらもご参照下さい。

参考

  1. MCΣ:XcarEt Media Bay Hard Drive
  2. Apple computer: developer Note,PowerBook G3 Series
  3. IBM: IBM 2.5-inch Hard Disk Drive
  4. The Norton Utilities 4.0,1994-1998 Symantec Corp. All rights reserved.

17/Mar.

ROAM(4)

ROM Accelerator 1.2b3が昨夜発表されました(1

PowerBook G3 SeriesのMacOS 8.5.1(J)では、現在のところROAM1.2b2を原因とするフリーズなどは殆ど起きていません。今回のバージョンアップは主に対象機種の拡張に当てられたようですが、外見として大きな違いがありました。ROAM1.2b2はメニュー画面を拡張しROAMのバージョン表示などプルダウンメニューで行うようになっていましたが、今回のバージョンからはメニュー拡張をとりやめ、アプリケーション形式のステイタス表示プログラムが用意されました。これは、今後コントロールパネル書類になる布石だと思われます。

仮想メモリの取り扱いや、Speed Doubler 8.1.2RAM Doublerとの対応状況(2、(3の変化はありません。

しかし、ベンチマークを行ったところ、速度低下が認められ、速度上昇率はROAM1.2b2のほうがROM Accelerator 1.2b3よりも優れているようです。ROAM1.2b2の速度向上率は、ROAM 1.1b1と同等です(4私は1.2b2の状態でもう少し検証をつづると共に、今後の動向についてこれまで同様観察していきたいと思います。

参考

  1. ROM Accelerator
  2. ROAM(3)、10/Mar 1999
  3. ROAM(2)、3/Mar 1999
  4. ROAM、25/Feb 1999

16/Mar.

Hard Disk Drive

HardDiskをより大容量のものに交換する場合、交換するドライブを選定する場合、どのようなポイントに気をつければよいのでしょうか。もちろん純正で搭載されているものと同じものを選べば済むことですが、たとえば既に8GbyteのDYLA-28100を搭載するPowerBook G3 292/14もしくはPowerBook G3 300/14では意味がありません。

  • まず、純正フォーマッタでフォーマットが出来るかどうかいう問題があります。将来OSのバージョンアップに伴いDiskドライバーのバージョンアップが必要なとき、純正ドライバーを使えると言うことは安心感があります。
  • 物理的にドライブが本体内部に設置できるかどうかという問題があります。PowerBook G3 Series,developer Noteによると、PowerBook G3 Seriesは厚みが17mmのドライブまで入ります(1
  • 最後に電源容量の問題があります。回転始動時の最大消費電力は、スリープ復帰時の安定性に関連する可能性があります。

以上の3点を満たす製品として、Travelstar 14GS(DCYA-214000)があります。容量はアンフォーマット時に14GByteであり、始動時最大消費電力が5wであることをはじめ、電源用量的にはDYLA-28100とほぼ同等であり、回転数は4900rpmと高速で、アクセススピードの点でもDYLA-28100と変化が少ないと思われます(2

純正ドライバー使用の件も、MCEの表を参照すると、特に問題なく使用できるとしています(3

Travelstar 14GS(DCYA-21400),IBM 2.5-inch Hard Disk Driveより転載

さて、実際の製品ですが、秋葉原のMac専門店には14Gbyteの製品はおろか、10GByteのTravelstar 10GT(DCXA-210000)も取り扱っている店舗はわずかでした。DOS/V専門店に訪れると、確かに7万5千円前後でTravelstar 10GTは在庫があります。しかしTravelstar 14GSについては、その厚みが12.5mmを越えるため、搭載機種が限られることから、取り扱う予定は現在のところ無いとの回答を頂きました(4。一部店舗で12.5mmを越える製品を扱っていましたが、やはりTravelstar 14GSに付いては取り扱いがないとのこと(5

海外に眼を向けても、MCΣはその販売を開始したととれる表記がありますが(3、実際のオーダーは受け付けていません。ある関係者によると、Travelstar 14GSはまだ一般では手に入らないのではないかという意見でした。

今後とも、注意深く観察していく予定です。

参考

  1. Apple computer:developer Note,PowerBook G3 Series
  2. IBM:IBM 2.5-inch Hard Disk Drive
  3. MCE PowerBook Products:MobileStor PowerBook Drives
  4. OverTop 店頭にて
  5. T-ZONE WINDOWSフロアー店頭にて

13/Mar.

Anti-aliasing

PowerBook G3 Seriesの巨大な筐体を、唯一正当化しているアイテムとして14.1インチの液晶画面があります。この大きく明るい画面を見ると、筐体が大きくてもしょうがないという説得性すら感じます。

ノートパソコンのDVD Video再生環境に眼を向けていると、小さく薄く軽い機器の中に、PowerBook G3 Seriesと同じコンセプトといえる、超重量級オールインワンノートパソコンが少なからず存在することに気付きます。

その中でIBMのThinkPad 770Xモデル7AJは大変印象に残るものです(1。特質すべきはその液晶画面でしょう。13.7インチとやや小振りながらその解像度は1280×1024と大変大きなものです(2

上を見ればきりがないと言えばそれまでかも知れません。しかし、狭い画面での作業には工夫が必要です。私はPowerBook 5300ceを使っているときから狭い画面を広く使う工夫として、プルダウンメニューの文字を小さくして使用してきました。その時、小さくするとfig.1の様に文字、特に漢字が大変見ずらくなります。

これはスクリーンフォントととしてビットマップが用意されていない8ポイント文字をあえて指定したためです。このような文字を指定すること自体システムの負担となり、文字表示速度の低下に繋がることは自明です。

fig.1

次に示すfig.2は、文字にアンチエイリアス属性を設定したものです。こうすると、ぐっと読みやすく成ります。

アンチエイリアスは文字表示にハーフトーンを使うことで擬似的に解像度が上昇したように見えます。この機能はMacOS8.5においては、アピアランスコントロールパネルの「なめらかに文字を表示する」のチェックボックスをオンにした時と同等の機能ですが、この標準の機能では12ポイント文字より大きなものにしか適応できずfig.2の様な8ポイント文字を滑らかに表示することは出来ません。

fig.2

アンチエイリアス文字を表示するには多くのCPUパワーが必要であり、全てにこの機能を使うことは、極端に文字表示が遅くなってしまいます。メニュー画面のような同じ文字を何度も表示する場合は、文字キャッシュでこの速度低下を有る程度カバーすることが出来ます。

アンチエイリアス文字をキャッシングしながら表示することが出来るコントロールパネルがATM4.0となる訳です。

このスクリーンでフォントエッジを滑らかにするというオプションをオンにして、文字キャッシュサイズを大きくします。(推奨サイズは英語フォントを念頭に入れた値なので、漢字表示のために大きくしています)このときフォントエッジが滑らかになるのはATMフォントのみであるので、ATMフォント自体をインストールすることを忘れては成りません。キャッシュ効果もATMフォントに対してのみです。

またこの機能をパワーポイントなどの液晶プロジェクターでのプレゼンテーション時に併用すると、限られた解像度で綺麗に文字を表示することが出来ます。

参考

  1. 日本IBM:ThinkPad 770X
  2. 日本IBM:ThinkPad 770X モデル9529-7J/7AJ/7BJ製品仕様

11/Mar.

DVD Player

ノートブックパソコンでのDVD Video再生環境について比較検討します。Macintosh環境では残念ながらソフトウェア再生がまだ出来ないので、対象はPowerBook G3 Series+Apple DVD-Video kitの組み合わせのみとなります。

DOS/Vに眼を向けると、DVD-ROMを内蔵できるノートブックは、ソフトウェア再生も可能でありその選択範囲は大変広いものです。

たとえばCOMPAQのPRESARIO 1919は厚み31mmながら、本体裏側後部に脱着式の「ウェッジ」を装着すると、DVD-ROMを利用することが出来るうえに、付属のソフトウェアでDVD Videoを再生することが出来ます。モバイルIntel(R) CeleronTMプロセッサ300MHzを搭載するPRESARIO 1919は、画質的には十分ですが、画面全体が大きく動くシーンなどは、わずかですが駒落ちが判ります。画像のシャープさも、ひまひとつ。その原因の一つに最大表示色が1600万色であるハードウェア再生に比べると、それをディザリング機能で実現していることも関係するかも知れません(1後の調査により、現在液晶を搭載する全てのハードウェアにおいて1600万色の表現力は無ありません。これはPowerBook G3 Seriesにも言えることです。アップルは表現力が無いこと認めましたが、ディザリングで表現しているのか、実際は何万色表示能力が出来るのかを公開していません。ただし、PRESARIOの画質をチェックしたときは、XGAの液晶画面をSVGAモードにハードウェア拡張しての表示でした。XGAモードで6万5千色の階調度しか持たないPRESARIOでは、PowerBook G3 Seriesで最も画質の優れたモード、すなわち液晶のドットが一対一対応になる、XGA画面での720×480の表示をフルカラーで表示することは出来ないはずです。

FUJITSUのFMV-BIBLO NS IX26Xは、厚み25.4mmと薄型です。「コンパクトベース」を本体下面に装着。ここに入れることの出来るDVD-ROMユニットにはMPEG2デコーダPCMCIAカードが添付されており、ハードウェアデコードが可能であるとしています。ドルビーサラウンドによる2チャンネルプロロジック、1600万色、720×480ドット、ZVポート経由などと、ほぼその性能はApple DVD Video kitと同じといえます。しかし、詳しく問い合わせると液晶画面の制約から表示色は26万色であり、ディザリングを使用して擬似的に1600万色としているとのことでした(2これはPowerBook G3 Seriesにおいても同様であると予想されます。

汎用カードのDVDデコーダカードとして米国Margi System社のDVD-to-Goがあり、日本では日商エレクトロニクス株式会社が取り扱っています(3再度確認いたしましたが、PowerBookでの使用は出来ません(4、(5

高橋 賢治氏はThinkPad765D+Sony DVD Diskman+Margi DVD to GOの組み合わせでの画質、音質について、あくまで短時間の使用であるものの、次のように評価しています。画質はほぼ互角、音質はヘッドセットでの比較において、PowerBook DVD-Video Kitがやや良いとのこと。氏は、この評価はあくまでDVD-to-Go単体のものではなく、再生環境としての総合的な意見であることを強調されていました。付け加えるなら、DVD-to-Goの使用について、次の2点を留意すべきであると述べています。

  1. DVDプレーヤとPCとの接続(SCSI)には、CardBus(32bit)のSCSIカードを使用しないと音が鳴らない、音飛び等が発生する
  2. DVD to GO が動作保証しているWindowsのバージョンは、Windows95 OSR2 以降である。

音声については数値化できない部分が多々あり、議論の余地があることは否めません。表面的なスペックのみ注目するなら、PowerBook DVD-Video Kitを含むこれらのカードがDOLBY DIGITAL(AC-3)をDOLBY PRO・LOGICにダウンコンバートしているわけですが(5、GatewayTM Solo(R)シリーズは(9100除く)、DOLBY DIGITAL(AC-3)出力をサポートし、ノートブックパソコンでも外付けの機器を使うことで5.1チャンネル音声を出力できるとしています(6ただし6個のスピーカーを持ち運ぶことは事実上不可能であり、AC-3環境を使用することは希でしょう。

感性的な部分で比較する必要があるほど、これらの機器の基本性能が優れているということなのかもしれません。

参考

  1. COMPAQ PRESARIO 1900 Seriesパンフレット
  2. 富士通、テクニカルサービスへの電話による問い合わせ
  3. 日商エレクトロニクス株式会社:米国Margi System社と販売代理店契約を締結,DVDデコーダPCカード「DVD-to-Go」の販売を開始
  4. 日商エレクトロニクス株式会社:PCプロダクト事業部、ペリフェラルグループ窓口への電話による問い合わせ
  5. DVD Decoder PC Card,19/Dec 1998
  6. 高橋賢治氏:私信 9/Mar,11/Mar 1999
  7. virtual phones,7/Nov 1998
  8. Gateway(TM)Solo(R),solo.pdf

 

Medical macintosh (c) 1998,1999,2000,2001,2002

Written/Edited by Y.Yamamoto M.D.

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