XPC750P RISC Microprocessor Hardware SpecicationがMOTOROLAのサイトにアップされていた。非常にミステリアスなことであるがその発表年月日は1999年9月26日である。そう、8日後の未来の日付だ。
Motorolaの資料は、Fact sheetと呼ばれるスペックシートを最初に出す。ちょっとブラフが入っているのが通例の様子。G4発表当時、0.15μmルールの銅配線で、400MHzの駆動時の最大消費電力が8Wであると堂々と書かれている。
しかし、その3日後に発表されたMPC7400 Part Number Specicationでは0.20μmルールで最大消費電力が15.5Wと発表されている。（実はこれには後日談があり、Fact sheetが約一日間の新盤に差し替えられていた。それによるとちょっと弱気が入ったのか最大消費電力が11.5Wに書き換えられていた。でもすぐにこの弱気なFact sheetはネット上から消えた）
一番その時のチップの情報に近いのがPart Number Specicationで、その時期の無理のない目標が書かれているのがHardware Specication、そして最終目標みたいな蒸かし情報が書いてあるのが、さしずめFact sheetと言ったところだろうか。
話を元に戻そう。この未来からやって来たXPC750P Hardware Specicationによると、アルミ配線ながら最終目標の0.18μmのチップの生産のめどが付いたようだ。このチップはコア電圧が2.05vまで下げても400MHzで駆動することが可能で、消費電力は通常使用で5W、最大7.2Wというもの。同じ400MHzのIBMの銅配線チップが0.20μmで通常4.6W、最大6.1Wであるのと比べても見劣りがしない。
その隣には366MHzの4.6w、最大6.6wのアルミ配線が載っている。丁度400MHzの銅配線と同じぐらいの消費電力だ。
なにが言いたい？って このアルミ配線のモトローラチップの保証Die-junction温度は105度なのである。Lombard 366/14を安く作るのならこれに限るということ。供給だって安定するだろう。
でも、ついでに注意すべき点を先に指摘しておく。低消費電力モードであるDoze Modeの最大消費電力が2.85Wもあるのだ。IBMの400MHzでさえ1.9Wに押さえているのにだ。そう8.6の美徳であるNanoKernelによる消費電力低減の技がいまいち鈍るということを示している。今度のスピードバンプがあるとしたら、もしかするとアルミ製かも知れないが、電池の持ちは悪くなるかも知れない。