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19/Aug

Wallstreet Upgrade Cards 3

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067_A campaign to collect signatures

067_A campaign to collect signatures

署名開始から5日間が経過した。現在約400名を越える署名があつまった。署名に付随する意見は、直に意見が伝わるよう配慮しつつ、個人情報が類推できる部分を削除して手渡すことにした。

068_model X G3 500

署名を集めるための仮想商品。銅配線のIBM PPC 750L 500MHzを搭載、キャッシュメモリは1Mbyte、キャッシュクロックは250MHzもしくは200MHzを想定した。バスクロックはおそらく66MHzに落ち着くだろう。

ドーターカード回収型で販売されるが、店頭交換もしくは、数日以内の返送が目標である。また保証期間終了後の故障時の対応に、「custody」方式をとるという案も出た。custodyとは証券などの保管、管理業務を指す言葉としてよく使われるが、この場合オリジナルカードをメーカーが保管管理し、必要なときに返却する方法である。

068_model X G3 500

069_model X G3 500 block

069_model X G3 500 block

バスクロックが83MHzになった場合の違いは赤い枠内のみの変化である。ビデオチップへは PCIバスがボトルネックになるし、ハードディスクはHeathrowがボトルネックになっているので、大きなアドバンテージは期待できない。

070_Application Conditions

CPUによって動作保証温度に違いがある。例えばPowerBook (FireWire)に搭載されているCPUはPPC750L-FBOB500 である。動作保証温度は駆動可能周波数を表す数字の一つ前のアルファベットで表示される。この場合「B」であり中央のマイナス40度〜85度が駆動可能Tj温度となる。LEはモトローラの記号であり、「L」は図に示すごとく0度〜105度を表しており、PowerBook G3 1998 (Wallstreet)で使用されていた。また、デスクトップには「A」のチップが多く使われている。

070_Application Conditions

071_250 & 266 TAU temperature

071_250 & 266 TAU temperature

PowerBook 250/13と266/14のTAUの示すCPU温度の比較。対象は省電力管理が変更されるMacOS8.6以前とした。現在のアンケートと違い、経験した最高温度を募集した結果である。同じCPUが使用されクロック数が高い266MHzの方がP<0.05で有意に低い。検定には検体数が少ないため、より厳密なMann-Whitney U-testを選択した。両者の違いはバスクロックの違いが最も大きい。

072_292 & 300 TAU temperature

バスクロック以外大きな差はあまりないPowerBook G3 292/14と300/14の比較。使用状態での温度にばらつきが少ない、ナノカーネル改善前の、温度アンケート1からのデータを対象とした。検定にはMann-Whitney U-testを用い、p=0.0482と有意に66MHzのバスクロックを採用した266/14が低い。

072_292 & 300 TAU temperature

073_266 & 400 TAU temperature

073_266 & 400 TAU temperature

銅配線のIBM PPC750L 400MHzを採用したPowerBook G3 400/14(Bronze)とアルミ配線のMotorola PPC750 266Mz(Arthur)を採用したPowerBook G3 266/14はほぼ同じぐらいの温度を示す。さらにリビジョンが進んだ最新の750L 500MHzの消費電力は6w(typ)/7.5w(max)*5であり、Arthurの5.7w(typ)/7.9w(max)*4よりもすぐれていることさえある。


名活動を開始して5日間が経過しました。その間400名を越える署名を頂きました。どうもありがとうございます。現在国内メーカー担当者に、アポイントメントをとるべく行動中です。

この5日間にアップグレードカードに関して大きな進展がありました。PowerLogix Japanによると、ユーザーによるROMコピー形式のiMac用iForce 500/200/1Mが極少量ながら出荷されたという事実です。この形式の販売の路がひらかれたこと、それとwallstreet用PowerLogix Blue Chip G3の開発が最終段階に達したというアナウンスは*1、アップグレードカードが夢でなくなったことを表すでしょう。

Foxtrot氏は、アップルの示したソフトウェア使用許諾契約に明記されているバックアップの権利をPowerLogix iForceのように行使するのは間違ったことではないと意見を述べています。また、同時に「custody」方式を提唱されました。これはリセラーやメーカーがオリジナルカードを「信託、保管」し、故障時などアップグレードカードと交換する形で、ユーザーに返却する方法です。実現するかどうかは判りませんが、メーカー担当者に提案してみたいと思います。

て、希望価格や性能のアンケートを眺めていて、何個か疑問や問題点を考えていきたいと思います。

Q:デスクトップなみのアップグレードカードの価格にならないのか?

要望価格が7万円以下が全体の63%を占めていました。その中には安くなったデスクトップ用アップグレードカードを基準に値段を考えている方を多く見受けます。

基本的にPowerBookのアップグレードカードはCPU、キャッシュだけではなくノースブリッジICとメモリソケット、ブートROMを含むコンピュータの心臓部すべての交換を意味します。実に069_model X G3 500 blockに示す右側全体を含むのです。また、070_Application Conditionsに示すように、大型のヒートシンクを搭載できるデスクトップ用CPUとは違い、温度の高い環境でも使用できる高価なCPUが必要になります。iMac用と同じというわけには行かないのです。

Q:バスクロックの低下は避けたい。が、安定性も重視したいのだが。

バスクロックが83MHzから66MHzへ低下

することに抵抗を感じるPowerBook G3 292/14、250/13ユーザーの割合は、46名中23人と丁度半分でした。ここで一つデータをお見せします。ナノカーネルが変更されるまえの、使用アプリケーションで温度変化が少ない環境で、最高TAU温度を募集した第1回TAU温度アンケート結果です。バスクロックがどの程度TAU温度に影響するのでしょうか。071_250 & 266 TAU temperature072_292 & 300 TAU temperatureは、前者はMotoloraのArthur、後者がConanと同じクラスのCPUを搭載し、キャッシュも同じ、筐体もほぼ同じもの同士の比較です。

結果をみると、クロック周波数が低いにも係わらず、バスクロックの高さから有意に(P<0.05)CPU温度が高くなっています。

現在の最新型の機種のノースブリッジはAGPポートやEthernet、FireWire Linklayerを集積したAppleのカスタムチップであるUni-Noth ICが採用されています。それに比べるとチップルールが0.5μm*2と消費電力面では不利なMPC106が使われているwallstreetではその駆動周波数を上げることは即、発熱に繋がります。MPC106の後継である汎用のMPC107は0.35μmルールに進化してい


ますが、ピン数も2倍近くに増え*3、互換性に乏しく、リバースエンジニアリングが出来ない状況では、 イニシャライズルーチンの変更は致命的です。073_266 & 400 TAU temperatureに示すように、PowerBook G3 400/14と同等の発熱が予想される068_model X G3 500で、MPC 106を使い続けるには実際問題66MHzという選択枝しか無いとも言えます。

Q:Mac OS Xで使用できるのか?

MacOS ROMに変更がないアップグレードであるので、Newer,PowerLogixを含めMacOS Xでの使用に大きな問題は少ないと思われます。ただし、Appleはアップグレードカードでの動作保証をしないでしょうから、本当に動作するかと言われれば確実なことはMacOS Xがリリースされるまでは判りません。

Q:Mac OS 8.1での動作は可能か?

MacOS ROMに変更がないので、原則としてMacOS 8.1での使用に問題はないはずです。アプリケーションの中には8.1を要求するものも残っているので、高速稼働するMacOS 8.1に魅力を感じるユーザーはいます。(4名)ただし改善前のナノカーネルを搭載しているため、発熱が増えます。PowerPC 750L 500の最大消費電力はPowerPC 750A 266よりも小さいのですが*4*5、許容温度が105度から85度に低下するため*5、MacOS 8.6以前のOSを使用する場合は、サードパーティの冷却台を併用した方がよいかもしれません。


20/Aug お詫びと訂正

読者であるadv cc氏よりご指摘がありました。統計学的表記にp<0.1を有意とするという誤った表記がありました。お詫びすると共に、再度検討を行い訂正いたしました。


*1PowerLogix Japan

*2MPC106 Hardware Specifications Rev. 4(PDF)

*3MPC107 Hardware Specification, Rev. 0.2(PDF)

*4MPC750A Hardware Specification Rev. 2.2(PDF)

*5PowerPC 740 and PowerPC 750 Microprocessor Datasheet ver 1.02(PDF)

15/Aug

Wallstreet Upgrade Cards 2

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国内アップグレードメーカにWallstreet用アップグレードカード購入希望者の署名を届けたいと考えました。本日より9月上旬までの期間、みなさまの声を集め、集計した結果を責任もってお伝えします。

署名がお済みでない方はどうぞこちらもご覧下さい


074_machin type

074_machin type

機種的にはRAGE LT Proが搭載された後期型Wallstreetが大半を占めている。一番恩恵を受ける233/13は全体の10%である。292/14は出荷台数が少ないのかもしれない。現在の総数は125である。

075_CPU clock/cache clock

500MHzが殆どを占めている。最高性能以外を希望する方も多い。500/200を希望する人は、性能以外に値段、発熱などを重要視している傾向がある。

075_CPU clock/cache clock

076_MPC 106 PCI Bridge/Memory Controller

076_MPC 106 PCI Bridge/Memory Controller

多くのユーザーがバスクロックの83MHzにこだわっている。しかしこの旧型のMemory Contorllerをいくら83MHzにしても効果は思ったほどもない。ある試算では66Mhzから83MHzにしても1.1%の性能向上しか期待できないにもかかわらず消費電力は1.83倍(1wの上昇)となる。場所的にヒートシンクが装着できないので、この1Wの発熱は無視できない。

077_PowerBook FireWire Heat Sinks


名活動を開始し約20時間が経過しました。このサイトは昼間のアクセスが中心であり、お盆休み中はヒット数がいつもの80%を切っているにもかかわらず、既に125人もの署名を頂きました。ありがとうございます。

みなさまのご意見をみると、値段は7万円が限界で、それ以下を望む声が大変多く聞かれました。性能面からは075_CPU clock/cache clockに示しますように、500MHzが大半ですが、必ずしも最高性能を求めるのではなく、少々キャッシュクロックが低くてもリーズナブルな製品を求める声が大きいようです。個別に頂いた意見を集計してみました。

アップグレード理由

拡張性の高い機種なので、是非アップグレードカードが欲しい(同様7件)

頑丈な筐体を使い続けたい(同様6件)

愛着があるのでアップグレードして使いたい(同様5件)

周辺機器の買い換えが必要な機種変更よりも、アップグレードが望ましい(同様3件)

高価な機種であったのでアップグレードして使いたい(同様3件)

セカンドマシンとして機能強化をして、連携したい。(同様2件)

性能面への希望

スペックを犠牲にしてでも、コスト重視(同様2件)

性能よりも発熱が低いものを望む。(同様5件)

バススピードの低下は避けたい(同様4件)

現在よりも高速化するのなら、バススピードにはこだわらない(同様2件)

安定性を重視(同様2件)

MacOS 8.1への対応を希望

500MHz以上への期待

両面に2インチハイトのSO-DIMMを搭載できるようにして欲しい

SkyLINE 11Mbの動作保証を希望

 

発売時期について

Blue Chip G3に期待するが、早く販売されるなら選択する(同様2件)

出来るだけ早期のリリースを希望(同様2件)

販売方法について

国内サービスへ期待(同様5件)

地方居住者への配慮

納期未定、全額前金予約制には反対

店頭交換を希望

オリジナルドーターカードをなんらかの方法で返して欲しい(同様4件)

使用許諾でバックアップの権利が確保されている以上その権利を生かすべきだ。転売については転売不可同意書を用意し、規約違反時の販売店、メーカーの免責を明記することで対処するのはいかがなものか。

メーカーへの激励

アップグレードカードに否定的なAppleの逆風、小さな市場であるなど数々障害があるが、是非生産して欲しい等、メーカーへの激励(同様8件)

禍根を残すことなく、今後の発展を期待し、合法的な製品を望む(同様5件)

見欄を拝見し少し気になったことがあります。それはバススピードに固執する方が多いことです。PISMOの様に最新のUni-North ICを搭載し、それら周辺チップへの発熱対策が済んでいる機種なら良いのですが、WallstreetにはG3以前のインラインキャッシュ時代の遺構を残すMPC106を搭載しています。このチップは83MHzで駆動すると1.83倍の消費電力、ようするに発熱を起こすのです。


076_MPC 106 PCI Bridge/Memory Controllerを見ていただくと判るのですが、その搭載位置はCPUドータカードの裏側になります。すぐ下は2つのHeathrow(I/O controller)とRAGE LT proのあるマザーボードで、ヒートシンクを入れようがありません。077_PowerBook FireWire Heat Sinksは最新のPowerBook FireWireですが、サブフレームからUni-North PCI Bridge/Memory Controller専用のヒートシンクが伸びており、熱対策が施されていることと比較すると、その搭載場所自体がないwallstreetと比較するとなんともうらやましい限りです。

れに対し、性能向上はどれぐらいあるのでしょうか。CPUが一つの命令を処理するのに、平均でどのくらいのクロックが必要であるかという値にCPIがあります。CPIの計算式は

CPI=CPI inf+m1P1+m2P2
CPI inf=CPI with infinite L1 cache
m1=L1 cache miss rete
P1=L1 cache miss penalty
m2=L2 cache miss rete
P2=L2 cache miss penalty

で示されます。IBMの資料からこれらの定数を類推すると*1

CPI inf=0.67
m1=0.023
P1=8
m2=0.001
P2=約50(83MHz)
P2=約60(66MHz)

になります。計算するとバスクロックの差から生じる性能差はわずか1〜2%という結果です。メモリのブロック移動をみ

るベンチマークでは確かにバスクロックの違い(25%)が結果に影響しますが、実際のアプリケーションではそれほどの差は出ないと考えられます。

以上をふまえ私は無理してバスクロックを83MHzにすることなく、66MHzのままでも500MHz/250MHzで駆動すれば、十分戦闘力のある性能を手に入れると思いますがいかがでしょうか。


*1Peter Sandon,PowerPC750CX Processor:High Performance with Integrated Multilevel Caching

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Written/Edited by Y.Yamamoto M.D.
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