ToshibaのMK2016GAPが入手できるようになりました。20Gbyteの容量、厚み9.5mmはIBMのDJSA-220000とオーバーラップします。気になるところは搭載されているcacheが1MbyteとDJSA-220000の半分であることでしょう。
最新型のPowerBook FireWireはハードディスクインターフェースがATA-4であり、その環境でのDJSA-230000のアドバンテージは前回の「Travelstar 30GTについて」で触れました。キャッシュ容量、メディア密度、回転速度が同じで、プラターの数のみ異なるDJSA-220000が*1、PowerBook FireWireでの、速度面でのベターチョイスであることには変わりは有りません。
今回の比較はPowerBook G3 Series 1998で測定しました。ハードディスクインターフェースは上限が16Mbyte/secの ATA-2規格である、PowerBook G3 Series 1998,1999においては2Mバイトのディスクキャッシュの優位性はそれほど目立たなくなり、反面小さなデータのやり取りでの優位性が注目されるからです。
045_Random writeを見ていただくと、128Kバイトから512Kバイト単位近辺のアクセスに落ち込みがあるものの、ATA-
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2の上限に頭打ちされ、大きな違いとはなっていません。もちろんDJSA-220000との直接比較が出来ていませんので、説得性に欠けますが、そんなに悪い印象のないデータです。
さて、実際に使用した感想は如何なものでしょうか。PowerBook G3 333/14を使用中のg_zo氏はアンケートフォームにこうポストされています。
DARA-210000 から換装しました。全く問題なく認識され、使用できます。フォーマット後は18.62GBです。体感速度ではそれほど変化は感じませんでしたが、ハードディスクの回る音がほとんど聞こえません。とても快適です。
このハードディスクを測定用に貸し出してくれたAmuletのスタッフである鈴木氏も、PowerBook G3 Series 1999 (Lombard)に組み込んだときの感想を次のように述べられています。
ベンチマークは優秀ですが、それほどのアドバンテージを感じることは出来ません。
スペックから言えば、MK2016GAPのMedia Data transfer rateは121.4〜234.1Mb/sであるのに対し*2、DJSA 220000は109〜203 Mb/sで*1一割ほ
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ど良いことになります。この数字だけならIBMの32Gバイト、5400回転のDJSA-232000の120.8〜 228.2Mb/s *3と同じぐらいといえます。近い将来、IBMのDJSAをテスト用に購入することになるでしょう。その時は、数字だけではなく、フィーリングの善し悪しがどこから来るのか分析できるかも知れません。
結論としては、MK2016GAPはPowerBook G3 Seires 1998,1999で使用する限りでは、悪い選択ではありません。ただし、DJSAより、それなりに安価でなければあえて選択する必要のないハードディスクであると考えます。
謝辞
g_zo氏、鈴木氏@Amuletのご両人に対し、この場を借りて御礼申し上げます。
*1Travelstar 20GN & 30GT Product summary (PDF)
*2Toshiba MK2016GAP
*3IBM Travelstar 32GH, 30GT, and 20GN 2.5-inch hard disk drives (PDF)
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