厚み12.5mmの2.5インチハードディスクに待望の30Gバイトの容量を持つDJSAシリーズの販売が始まりました。2.5インチハードディスクとしては初めて2Mバイトのキャッシュメモリを搭載し、4200rpmと回転数こそ変化は有りませんが、データ密度が上昇したので*1、転送速度もこれまでの2.5インチハードディスクでは最高クラスを実現しています。
今回はコンピュータショップAmuletの高山氏の協力を得て、PowerBook (FireWire) 500/14とIBM DJSA-230000のベンチマークテストを行うことが出来ました。
DTMやDTV用途に大容量ハードディスクが必要であり、ドロップアウトを防ぐにはある程度の連続読み書き速度が要求されます。042_Sequential read/writeに示すように、これまでの2.5インチハードディスクと比較すると、書き込み、読み込み共にすぐれていることが判りました。
興味深いのは041_Random writeです。これまでのIBM製ハードディスクと同じトレンドで、どんなに大きなデータストリームも全てキャッシュに格納し、バスを解放するというポリシーは変わっていませ
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ん。そのために、2Mバイトを越えても一部キャッシュが有効に働き、緩やかに転送速度が低下し、メディア間データ転送速度へと収束していることがわかります。それに対し、東芝製のMK1x14シリーズは1Mバイトのキャッシュを搭載するにも係わらず、半ば強制的に128Kバイトを越えるデータストリームに対してはキャッシュが効いていません。その反面、小さなサイズの書き込み速度の向上が顕著で、1Kバイト単位の細かいアクセス時の転送速度はDJSAと比較しても4倍の速度を実現しています。
DARAシリーズとMK1x14シリーズを比較するのなら、どちらがいいのか熟考が必要でしょう。しかし、DJSAシリーズが示す、1Mバイト近辺の圧倒的な速度差には強烈なインパクトがあります。
ここで、データを示す意味が有るかどうかは、まったくもって検証していませんが一つ御紹介します。
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これは私のハードディスクの起動ディスクの過去60日間で変更を受けたファイル2200個の容量別パーセントです。256Kバイト近辺が個数が多く、容量も大きいことが判ります。ディスクアクセスはファイル単位で行われている訳ではありませんし、延べ数ではないため頻度の要素は含まれていません。しかし、アクセスの重心が256Kバイト以上にあることは予想できます。
DJSA-230000をPowerBook 500/14に組み込み実際にオペレートすると、目に見えてディスクアクセスが早くなったことが体感できました。音も予想よりも静かです。30Gバイトという容量と合わせ、体感速度の向上にDJSAを選択する人は増えるに違いないと確信しました。
*1Product summary Travelstar 20GN & 30GT (PDF)
謝辞
コンピュータショップAmuletの高山マネージャーには計測に際し、機器の貸し出しなど、大変お世話になりました。この場所をお借りして御礼申し上げます。
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