PowerBook G3 Series 1999と1998にはそれぞれSCSIインターフェースが内蔵されています。最大データ転送速度は5Mbyte/secで、高速CD-Rの書き込み時にトラブルが報告されるなどマイナスイメージもありますが、何より最初から付属してるためスキャナの使用やプリンターの接続など重宝する場面も少なくありません。
しかし、PowerBook (FireWire)からはSCSIインターフェースが省略されました。これはKeyLargo(I/Oインターフェースチップ)からSCSIが省略されたためです。もはやPowerBook (FireWire)でSCSIインターフェースを使用するには、なんらかの装置が必要なわけです。
すぐに思いつくのがCardBus PC Cardでしょう。代表的なものに001_REX-CB32Pや002_PowerDomain SlimSCSI 1480があります。特に後者はPowerBook (FireWire)発売と時期を同じくして発表され、またニュースサイトでSlimSCSIのリリースをヒントにしてPowerBook (FireWire)にSCSIが省略されることを予想されたりしたので、印象が強いです。
しかし、実際にPowerBook (FireWire)で安定使用するにはMacOS 9.0.4のリリースとドライバーのアップデートを待つ必要がありました。出鼻をくじかれた格好になってしまったわけです。現在はこれら二つのアップデートを施行することで一部を除き、安定しているそうです。
- J-Mac OS 9.0.4 Update
- PowerDomain SlimSCSI 1480ドライバ Jー1.1
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002_PowerDomain SlimSCSI 1480が最大20MB/secのUltra SCSIをサポートするにに対し、最大40MB/secのUltra Wide SCSIをサポートするのが001_REX-CB32Pです。2000年5月にドライバーのアップデートが行われ、カードを挿入したままスリープしてもフリーズしなくなるなど、着実な進化をとげています。
- REX-CB31P用ドライバアップデート
- REX-CB32P用ドライバアップデート
005_date rate of random write accessesにはPowerBook G3 300/14(wallstreet)を使って、Ultra Wide SCSI HardDiskである003_IBM Ultrastar 9ESの速度を実測したものを示します。40MB/secという規格にはほど遠い値ではありますが、実測転送速度は約22MB/secで、内蔵のATAドライブが15MB/sec付近で頭打ちになっているのと比較すると、外部ハードディスクとしては十分なインターフェースであると確信できるでしょう。
これらのCardBus PC CardにはRISCチップが内蔵され、高度なデータ転送が可能となっています。例えばカードに内蔵されたRISCチップにはScatter/GatherをサポートしたDMAが実装されています。
Scatter/Gatherとは文字通り、ちりじりになったデータを集めることが出来るということです。コンピュータのデータはバラバラに格納されているため、データを転送するときは「集める」という準備が必要です。それをカードに積まれたRISCチップが自分で行い、メモリから転
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送したり、SCSIデバイスからバラバラに送られてきたデータを集めてメモリに格納したりできるのです。これとコマンドキュー(命令バッファー)と合わせて、SCSIインターフェースはCPUの負担を軽減します。
しかし価格面で不満を訴えるユーザーもいるでしょう。例えばREX-CB32Pは2万5千円前後で販売されています。ハードディスクやMO,CD-Rに速度的に満足の出来るFireWire製品が増えてきた現在、どうしてもSCSIでなくてはならない理由は減ってきています。
fujisawa氏はNikon COOLSCAN IIIをPowerBook (FireWire)で使用したいと考えたそうです。そこで8800円で購入することが出来たLogitecのLUB-SCを試しに使ってみたそうです。
Logitec LUB-SC
この商品はストレージデバイスしかサポートしていないとのことですが付属のUSBエミュレーションドライバでCOOLSCAN IIIが使用できたそうです。他のスキャナーが動くという意味ではありませんが、選択枝のひとつにはなるでしょう。
謝辞:fujisawa氏へ情報ありがとうございました。 |