既に購入から1年半以上経過した私のPowerBook G3 300/14は、経年変化による問題が出てきました。
一つは液晶パネルのヒンジにがたが出てきたのです。開いた液晶パネルをつかんで前後に揺らすと、約2cmほど遊びがあります。また、011_Symptom of broken clutchesに示すように液晶を大きく開いた状態では、ヒンジの保持力が足りず、重力で完全に開ききってしまうのです。
これは、液晶パネルのヒンジ部分にあるClutchと呼ばれるパーツの破損であることが判りました。010_Broken left Clutchのように左側は重症で、金属疲労で割れたクラッチカバーから、数枚のクラッチパーツが脱落し、パワーブック本体側に散乱していました。幸いなことに電子部品とショートすることなく経過していたため、マザーボードの破損には至りませんでしたが、さすがにひやりとしました。
仔細に観察すると一見正常に見える反対側のclutchにもクラックが入っており、両方を交換を計画しました。
Refresh Build作戦とでも呼びましょう。どうせ修理するならと、同時に数カ所のパーツを新しいものにすることにしました。PCMCIAスロットにも問題がありました。上側のスロットは調子よいのですが、下側のスロットは時々「カチリ」という音だけしてカードが排泄しないことがありました。また、差し込むときも、途中から「カスッ」といって、反発力が弱まってしまう |
のです。多くのカードはこの状態でも問題なく認識出来るのですが、DVD-VIDEO PCMCIA Cardだけは、認識できないことがありました。強く押し込むと一時的に認識されることから単なる接触不良には違わず、Zoomed Video信号は下側のスロットにしか供給されていないこともあわせ、DVDの視聴に支障を来していたのです。
PCMCIAスロット部分は012_PC Card Card cageのようなアッセンブル部品で、イジェクト機構と端子が一体になっています。問題の部分は下部スロットのイジェクト用の金属部品が僅かに弯曲していたためでした。金属部品は弯曲したまま何度も使用したため、折り目が入り、交換する以外に修理する方法はみあたりませんでした。
もう一つは、液晶のhousingケースのラバー部分についた傷が気になり始めたことです。PowerBook G3 Series 1998 (wallstreet)は、それ以降のモデルと違い、外装部品にアルミ板が用いられ、その表面にはラバーコーティングが施されています。wallstreet以降、PowerBook G3 Series 1999 (Bronze,Lombard)やPowerBook (FireWire)は、意匠は継承していますが、該当部分はプラスチック部品に塗装されていて、傷が目立ちにくくなっています。
ラバーコーティングの下は、モスグリーンの下地があり、その下にはアルミの地肌があるため、傷も多彩で大変目立ちます。究極の補修ということで、このhousingごと交換してしまうことにしました。修理に際しては、NCRのクイックガ
|
レージに事前に連絡を入れ交換パーツの取り寄せをお願いしました。
-
922-3646 Housing, \9,600
-
922-3465 Clutch/Brance, \2,500
-
922-3409 Clutch/Brance \2,500
-
076-0744 Card cage Kit \8,000
-
技術料 \10,000
-
- 消費税を合わせて\34,230となりましたが、すっかり気分一新、もう少しつきあっていこうという気持ちになりました。
謝辞
Take 0氏には、Clutch破損の事例の指摘及び写真提供をしていただきました。大変ありがとうございます。
|