PowerBook (FireWire)でもMacOS 9.0.4になってから安定してFireWire Target Disk Modeが使用できるようになりました。
PowerBookに専用コードを接続することで、バッテリー付き外付けハードディスクにしてしまうSCSI Disk Modeは、手軽に大量のデータの転送が実現する便利な機能でした。
FireWire Target Disk ModeはSCSI Disk Modeに変わるもので、もっと手軽に実現できます。電源投入直後に「T」キーを押しておくだけです。Target Disk Modeになると画面には黄色い大きなFireWireのマークが表示されます。
このFireWire Target Disk ModeはFireWireがビルトインされたMacintoshで有効で、PowerBook (FireWire)だけではなく、PowerMac G4でも可能です。
ここまではリリースノートを読めば判ることです。今回はこのFireWire Target Disk ModeをMacOS 8.6を搭載したPowerBook G3 Series 1998 (Wallstreet)で使おうという試みです。
いろいろ工夫してみましたが、最初からFireWireポートを搭載していないPowerBookをFireWire Target Disk Modeにすることは出来ませんでした。それだけではなく、FireWire Target Disk Modeで起動したPowerMac G4をマウントすることすら出来ません。
これはクライアント側にもFireWire 2.3.3の搭載が必要だからです。J-Mac OS 9.0.4 Updateの中に含まれるFireWire
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2.3.3の日本語ドキュメントをみるとMacOS 9以上が必要であると記載されていますが、同じFireWire 2.3.3(E)のドキュメントを読むとMacOS 8.6でも使用できると書かれていました。
よしとばかりに、TomeViewerを使ってJ-Mac OS 9.0.4 Updateの中のFireWire Enabler (J1-2.3.3)とFireWire Support(J1-2.3.3)を取り出し、同名の古い機能拡張と入れ替えてみました。
FireWire Target Disk ModeにしてあるPowerMac G4とPowerBook G3 300/14 (wallstreet)をFireWire2Goを介して接続しておきます。再起動してPowerMac G4が認識されるのを待ちましたが、認識する気配がありません。
そこでFireWireケーブルを脱着してみました。すると、デスクトップにPowerMac G4が即座にマウントされました。データ転送も問題なく、Target Disk Modeでマウントされたハードディスクをゴミ箱に捨てればコードを抜くことが出来ました。
ただし、FireWire2Goのアイコンをゴミ箱に捨てると、FireWire2Goが使用中なのにも係わらずカードが排泄されてしまったのです。こうなると、PowerBookは堂々巡りになってしまい、強制再起動を余儀なくされてしまいます。ドキュメントにも記載されている不具合で、使用中はカードをゴミ箱に入れてはなりません。
さて速度はどのくらいでしょうか。B's Benchによる、ドライバー経由の測定
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(OS側のディスクキャッシュが有効になっている状態です。実際の使用状況に近い値になるはずです)ではシーケンシャルアクセスでは、読み書き共に約1.4Mbyte/secでした。
FireWireの理論最高値が50Mbyte/secであることからはほど遠い、PCMCIA経由のハードディスクよりも遅い値ですが、手軽さという意味では十分でしょうか。
もうすこし詳しく調べてみましょう。実はNewer TechnologyのFireWire2GoはAppleのFireWire CardBusシステムのリファレンス機で、ドライバーが本家AppleからとNewerからの2種類出ています。
AppleのリリースするFireWire CardBus Enabler 1.0.1はFireWire 2.2.2と同時にリリースされたもので、FireWire 2.3.3(E)でも同じドライバーが使用されています。NewerのFireWire 2 Go enablerはFireWire2.2.2リリース後に発表され、FireWire 2.1のFireWire CardBus Enabler 1.0と入れ替えるようにと指示されたドライバーです。どちらが新しいのかは微妙なところのようです。
020_date rate of random write accessesをみると、僅かではありますがFireWire 2 Go enablerがすぐれているようです。しかし、カードを入れたまま起動すると、一度脱着するまでカードアイコンが白紙になってしまうなど、動作に不安を感じさせます。(白紙アイコンのままでも動作はします)二つのドライバーには殆ど差がないようなので、私はAppleがリリースするFireWire CardBus Enabler 1.0.1を使用しています。*1
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