まずハードウェアが現実として起動するかという問題だ。iMacには、Paddingtonと呼ばれるIO ControllerがPCIバスにぶら下がっていて、これがIDEハードディスクをコントロールする。PowerBook G3 SeriesではHeathrowと呼ばれるカスタムチップがこの役目をしている。PaddingtonはHeathrowに100Base/Tのサポートを加えたものだと、Appleは説明している。
この表現(The Paddington IC is similar to the Heathrow IC)によれば、もしかするとCPUドータカード上の1MByteのROMがHeathrowをコントロールして、起動シークェンスをこなせるかもしれない。そして、旨いことMacOS ROMにかわるファイルを作れば動く’かも’しれない。実現度はこの程度だ。
このファイルが無ければ、MacOSはPowerBook G3 SeriesをiMacと誤認し、キーボードがまず認識されないだろう。PCMCIAカードも駄目。したがってUSBカードを差してUSBキーボードを使うという逃げも無理だ。赤外線はもしかすると動くかも知れないが、当然トラックパッドは無視される。10Base/Tはもしかすると動くかも知れない、ただし、PMUが違うのでその前にPMUが火を噴かなければという前提の基にだ。
殆ど不可能だが、まだ難関はある。CPUの保証温度で引っかかってくるのだ。現在のiMacに搭載されたCPUはMOTOROLAのアルミ製333MHzであり、おそらくこれまでの通例でdie-Junction保証温度が65度の製品を搭載しているとおもわれる。少なくとも333MHzでは84度に達する（実測値）PowerBook G3Seriesでは熱暴走は免れないと思う。
結論は・・無理､不可能。サードパーティ製のアクセラレーターカードが発売された場合その起動用プログラムが手に入れば動くかも知れないが、安定動作は見込めない。