現存するPowerPC 750の466MHzはIBMのLonestarシリーズだけである。ZIFソケット用のアクセラレーターカードの型番を見ると、確かにIBMの文字と466MHzの動作周波数。語尾がEB0Aすなわち、revision EのＴｊ保証温度65度のもの。
一方MOTOROLAの発表するところの最高性能チップは400MHzのアルミベースのConanである。1月5日現在の1000個ロット当たりの値段が$495。これは去年の7月下旬に366MHzが$595であったのだから、だいぶ安い。去年の3月と比べればそれこそ300MHz版と同じ値段である。
値段から歩留まりを予想すると、一時期の366Mhz版よりも安定して生産できるようだ。Appleにすれば、400MHzをPowerBookに搭載出来る下地は整ったと言えるだろう。ただし、400MHz以上はどうだろうか。選択はIBMしかなくなる。Yosemiteの初期の400Mhzが殆どIBMのLonestarで有ったことを考えると、プロシューマPowerBookに高価なIBM製G3を搭載して出してくることも考えられるかも知れない。しかし、そう話は単純ではない。
初めに述べたようにLonestarの現状のTj保証温度は65度なのだ。PowerBookに搭載すると、周りのチップの発熱で、予想温度が少なくとも71度になる。そう、EB0Aでは駄目なのだ、少なくともEB0Bになる必要がある。PowerBook2400用のBOOSTER PB2400 G3 320に搭載されているPPC750はEB0B333、すなわち85度まで保証の333MHz版である。ちなみに400MHzの時のLonestarの消費電力から、これをwallstreet級の筐体に搭載したときの予想die-junction温度は71度、これがPowerBookの動作保証気温の最高35度になったときの計算値はなんと91度から95度になってしまう。これではLonestarでもまだ見たことのない105度対応のチップが必要になってしまう。
さてLombardは400MHzでくるか、400MHzOverでくるか、見物である。